教育訓練給付は誰がもらえる?対象条件を5つの質問で判定【2026年版・最大80%】

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「給付金で受講料が最大80%戻る」と聞いて調べてみたものの、役所のページを読んでも、結局自分が対象なのか分からなかった——そんな経験はないでしょうか。制度の説明が分かりにくいのは、あなたの読解力の問題ではありません。条件が「在職か離職か」「初めて使うか2回目か」で枝分かれしているのに、その全体像が一枚にまとまっていないからです。この記事では、厚生労働省とハローワークの一次情報だけを根拠に、5つの質問に答えれば自分の対象可能性が分かるところまで整理します。

5つの質問で分かる、あなたの給付対象判定チャート

まず、次の5つの質問に順番に答えてみてください。メモも計算もいりません。

  1. いま、雇用保険に加入して働いていますか(給与明細に「雇用保険料」の控除があれば加入しています)
  2. 【在職中の方】雇用保険の被保険者期間は3年以上ありますか(給付を初めて使う場合は1年以上)
  3. 【離職した方】離職日の翌日から1年以内に受講を始められますか
  4. 過去に教育訓練給付を受け取ったことがある場合、前回の受講開始から3年以上たってから次の受講を始められますか(利用が初めてなら「はい」で進んでください)
  5. 受けたい講座は、厚生労働省の「教育訓練給付制度 検索システム」で給付対象に指定されていますか

在職中の方は質問1・2・4・5、離職した方は質問3・4・5がすべて「はい」なら、給付の対象になる可能性が高い状態です。「いいえ」や「分からない」があった方も、ここでページを閉じないでください。どの質問でつまずいたかによって打ち手が変わります。ここから条件を1つずつ確かめていきます。

条件1: 雇用保険の加入期間——在職者・離職者・初回利用の違い

在職中の場合

受講開始日の時点で、雇用保険の被保険者期間が3年以上あることが基本の要件です。ただし給付を初めて利用する場合は、1年以上あれば対象になります(出典: ハローワークインターネットサービス)。なお、区分によって初回利用の要件が異なるとする資料もあるため、後述の専門実践教育訓練を検討している方は、申請前にハローワークで自分のケースの要件を確認しておくと確実です。

離職した場合

離職日の翌日から受講開始日までが1年以内であることが要件です(出典: 同上)。つまり退職後の学び直しには時間の期限があります。「落ち着いてから考えよう」と置いておくと、対象なのに期限切れで定価になる、という一番もったいない形になりかねません。

自分の被保険者期間が何年あるかは、ハローワークで確認できます。手元の記録に自信がなければ、自己判断で諦める前に窓口や電話で聞くのが早道です。

条件2: 3つの給付区分と戻る割合(2024年10月改正の変更点)

教育訓練給付は、講座がどの区分に指定されているかで戻る割合と上限額が変わります(出典: ハローワークインターネットサービス)。

区分 基本の給付率 条件を満たした場合の追加給付
一般教育訓練 20%(上限10万円) 追加なし
特定一般教育訓練 40%(上限20万円) 資格を取得し就職等で50%(上限25万円)
専門実践教育訓練 50%(上限40万円/年) 資格取得・就職で70%(上限56万円/年)。さらに賃金が受講前より5%以上上昇すると80%(上限64万円/年)

2024年10月の改正で、令和6年10月1日以降に受講を開始する講座から給付率が引き上げられました。専門実践は、修了後に賃金が5%以上上昇した場合に10%を追加給付して最大70%から80%へ。特定一般は、資格を取得し就職等した場合に10%を追加して最大40%から50%へ拡充されています(出典: 厚生労働省「令和6年10月から教育訓練給付金を拡充します」)。

誤解しやすい点を2つ補足します。第一に、「最大80%」は申込時点で確定する割合ではありません。修了・資格取得の段階で戻るのは最大70%までで、残りの10%は修了後に賃金上昇が確認されてからの事後給付です。第二に、上限額の頭打ちがあります。専門実践でも1年あたり64万円が上限で、給付期間は原則3年間・累計192万円までです。高額な講座ほど「率のとおりには戻らない」ことがある点は、見積もりの段階で織り込んでください。

対象外になりやすい5つのケース

編集部に届く声でも、つまずきどころはおおむね次の5つに集中しています。

  1. 前回の受給から3年以内に受講を始めた。一度給付を受けると、前回の受講開始から3年以内に始めた講座は支給されません(いわゆる3年ルール)。
  2. 被保険者期間が足りない。原則3年以上、初回利用でも1年以上が必要です。
  3. 離職から1年を超えて受講を始めた。離職者の期限は「離職日の翌日から受講開始まで1年以内」です。
  4. 雇用保険の加入歴がそもそもない。教育訓練給付は雇用保険の給付なので、加入歴がない場合は対象外です。
  5. 講座が給付対象に指定されていない、または事前手続きを踏んでいない。指定はスクール名ではなく講座単位です。同じスクールでも対象の講座と対象外の講座があります。また専門実践教育訓練は、受講開始前にハローワークでの受給資格確認などの事前手続きが必要です。

主婦・フリーランス・退職後ブランクありの場合はどうなるか

専業主婦(夫)の方やフリーランスの方で、雇用保険の加入歴がない場合は、この給付の対象外です。一方、過去に会社員として雇用保険に加入していた方は、離職日の翌日から1年以内に受講を開始できるかどうかが分かれ目になります。ブランクが1年を超えている場合の扱いは事情により異なるため、諦める前にハローワークへ直接確認してください。

また、いま在職中で被保険者期間が要件に届かない方には、雇用保険とは別枠の制度があります。経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」は、企業と雇用関係にある在職者(雇用形態・年齢不問)を対象にした補助事業で、教育訓練給付とは仕組みも窓口も別物です。詳しくは経産省キャリアアップ支援事業の使い方と手順で整理しています。なお、こちらも個人事業主・フリーランス・無職の方は対象外です。

対象と分かったら次にやること——講座選びと受講開始前の手続き

5つの質問に「はい」がそろった方は、順番を間違えないことが大切です。先に講座を申し込んでから給付を調べるのではなく、次の順で進めてください。

  1. 厚労省の「教育訓練給付制度 検索システム」で、候補の講座が給付対象に指定されているか・どの区分かを確認する
  2. 受講料から給付額を引いた実質負担を見積もる(試算の手順は給付率別・実質負担の試算にまとめています)
  3. 対象講座どうしを比べて選ぶ(AI系講座の比較は給付金で戻るAI講座の選び方へ)
  4. 専門実践教育訓練の場合は、受講開始前にハローワークで受給資格確認などの事前手続きを済ませる(提出期限は制度改正で変わる可能性があるため、ハローワークで最新の期限を確認してください)

制度上は対象でも、講座ごとの指定状況や自分の給付区分は個別に確認が必要です。給付対象講座を持つスクールの無料カウンセリングでは、雇用保険の加入歴をもとに「対象になるか・どの区分か」を申込前に確認できるので、判定に自信が持てない方はここで確かめてから決めると、数十万円の見込み違いを防げます。

次の一手

「こんな制度、もっと早く調べておけばよかった」と感じた方もいるかもしれません。ですが、調べてこなかったのはあなたが怠けていたからではありません。条件が枝分かれした制度を、仕事や家のことと並行して読み解くのは誰にとっても重い作業です。ここまで読んだ時点で、判定に必要な材料はそろっています。

今日やることは1つで構いません。給与明細で雇用保険の欄を確かめる、あるいはハローワークに電話を1本かけて被保険者期間を聞く。それだけで5つの質問のうち最大の不確定要素が消えます。受講するかどうかを今日決める必要はありません。ただ、「いつ確かめるか」だけは今日決めておきましょう。学び直し全体の進め方は学び直し・給付金のトップページから辿れます。

参考資料

  • ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付」 https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_education.html
  • 厚生労働省「令和6年10月から教育訓練給付金を拡充します」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160564_00042.html
  • 経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」公式サイト https://careerup.reskilling.go.jp/