在宅介護の限界サイン7つ|親の施設探しを始めるタイミングと最初の一歩

本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。掲載サービスの選定基準は広告掲載ポリシーをご覧ください。

夜中の対応で眠れないまま出勤する朝が増えて、ふと「もう無理かもしれない」と思う。その直後に、そう思ってしまった自分を責める——多くの方が、同じところで立ち止まっています。先にお伝えします。施設を調べることは、親を見捨てることではありません。この記事では、在宅介護の限界サインを「介護される親の状態」ではなく「介護するあなたの生活の変化」から7つ整理し、施設探しの始め方と、今日できる最初の一歩までご案内します。

「まだ頑張れる」が続くうちに読んでほしい理由

介護や看護を理由に仕事を辞めた人は、2022年の総務省・就業構造基本調査で年間10.6万人にのぼります。しかも離職した人のうち8.3万人はそのまま無業となり、再就職できた人は2.3万人にとどまります(みんジョブ・ニッポンの介護学の同調査解説より)。「限界が来てから考える」と、仕事も選択肢も同時に失いやすいのが在宅介護の怖さです。

一方で、働きながら介護をしている人は男性157万人・女性208万人(2022年・同調査)。あなたと同じ板挟みの中にいる人は、決して少数派ではありません。施設探しは、親が倒れてから始めると「選ぶ」余地がほとんど残りません。「まだ頑張れる」と言えるうちに調べ始めた家族だけが、比べて、納得して決められます。

在宅介護の限界サイン7つ——介護する側の変化に注目する

限界のサインは、親の状態よりも先に、介護しているあなた自身の生活に表れます。以下は編集部が読者の状況整理のためにまとめたチェックポイントであり、医学的な基準ではありません。いくつ当てはまるかを、静かに数えてみてください。

  1. 夜中の対応などで睡眠が連日削られ、寝不足が「普通の状態」になっている
  2. 遅刻・早退・欠勤が増え、有給休暇のほとんどが介護で消えている
  3. 自分の体調不良や通院を後回しにし続けている
  4. 親につい強い口調で当たってしまい、あとで自己嫌悪に陥ることが増えた
  5. 介護以外の話題や人付き合いが、生活からほとんど消えている
  6. 交通費・介護用品代など、介護にかかるお金を把握しきれなくなっている
  7. 「この生活がいつまで続くのか」と考えても、答えが出ない

3つ以上に心当たりがあるなら、それは「あなたの頑張りが足りない」サインではありません。一人の生活の中に収まらない量の介護が、すでにそこにあるというサインです。

このサイトで扱う範囲と、ケアマネ・地域包括支援センターに相談すべきこと

ここで一つ、はっきりお伝えしておきます。TRENQでお伝えするのは、施設の種類・費用・探し方・入居までの段取りという「決めるための材料」までです。親御さんの要介護度がどうなるか、医療的なケアが必要かどうか、認知症の症状をどう評価するか——こうした判断には踏み込みません。それは担当のケアマネジャー、地域包括支援センター、主治医に相談すべきことだからです。

地域包括支援センターは全国に5,451カ所(支所を含めると7,362カ所・令和6年4月末現在、厚生労働省資料)あり、高齢者と家族の相談を無料で受け付けるワンストップ窓口です。「何をどこに聞けばいいのか分からない」段階でも、まずここに電話してかまいません。

施設探しを「始める」とは何をすることか——情報収集と入居申込は別物

「施設を探す」と聞くと、入居を決めてしまうことのように感じるかもしれません。けれど実際には、施設探しには二つの段階があります。一つは情報収集——施設の種類を知り、費用の目安をつかみ、通える範囲にどんな選択肢があるかを把握すること。もう一つが入居申込です。前者をどれだけ進めても、何も決まりませんし、誰にも迷惑はかかりません。

むしろ、調べることは親御さんのこれからを真剣に考えている証拠です。まずは特養・老健・サ高住・有料老人ホームなど施設の種類の違いを眺めるところからで十分です。名前と大まかな違いが分かるだけで、ケアマネジャーとの会話も家族との相談も、格段に進めやすくなります。

今日できる最初の一歩:親の要介護認定の有無と月々のお金を確認する

情報収集の前に、確認しておきたいことが二つあります。

一つ目は、親御さんが要介護認定を受けているかどうかです。認定は非該当・要支援1〜2・要介護1〜5に区分され、施設の入居条件や介護保険の自己負担(所得に応じて1〜3割)に直結します。まだ申請していなければ、窓口は市区町村または地域包括支援センターで、申請から認定通知までは原則30日以内(地域によっては2カ月ほどかかる場合もあります。厚生労働省・介護サービス情報公表システムより)。時間がかかるからこそ、早めに動く価値があります。なお、要介護・要支援の認定者は全国で708万人(令和6年3月末時点・厚生労働省)。認定を受けることは、特別なことではありません。

二つ目は、月々のお金です。親御さんの年金額と貯蓄のおおよそを把握しておくと、費用の話が「漠然とした不安」から「比べられる条件」に変わります。

この二つがそろっていなくても、情報収集の窓口として老人ホーム紹介サービスの無料相談を使うことができます。紹介サービスは入居を決めた人のための窓口ではなく、「何から調べればいいか分からない」段階の相談から使ってよい窓口です。地域の施設事情や費用感を、相談員にまとめて聞くことができます。

限界を認めることは、介護を投げ出すことではない

介護休業が対象家族1人につき通算93日・3回まで分割して取れること、介護休暇が年5日(対象家族2人以上なら10日)あること(育児・介護休業法、厚生労働省リーフレット)——これらの制度は「家族が介護に専念する期間」ではなく、仕事を続けながら介護の体制をつくるための期間として設計されています。つまり制度そのものが、「家族が一人で最後まで抱える」ことを前提にしていないのです。

限界を認めることは、介護からの撤退ではありません。続けられる形に組み替えるための、次の段階に進むことです。とはいえ、親本人やきょうだいにどう切り出すかは、それだけで一つの大きなテーマです。言い出せずにいる方は、罪悪感との向き合い方と家族への切り出し方を先に読んでみてください。

次の一手

ここまで読んで、少し胸が重くなった方もいるかもしれません。でも、限界サインに心当たりがあったとしても、それはあなたが怠けていたからでも、愛情が足りないからでもありません。一人で担いきれない量の介護を、ここまで担ってきたというだけのことです。

今日やることは一つで十分です。親御さんの要介護認定の有無を確認する。それも重ければ、地域包括支援センターの電話番号を調べてメモしておくだけでもかまいません。入居を今日決める必要はありません。ただ、「いつまでに情報収集を始めるか」だけ、今日決めておきませんか。

参考資料