卒FIT後はどうする?売電・自家消費・蓄電池——3つの選択肢を比較

本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。掲載サービスの選定基準は広告掲載ポリシーをご覧ください。

太陽光を設置してから10年、固定価格での買取期間が終わる「卒FIT」が近づいている、あるいはもう終わってしまった——そんな方が最初に感じるのは、これまで確かだった売電収入が減っていく不安ではないでしょうか。何もしなければ、多くの電力会社で自動的に低い水準の標準買取プランへ切り替わり、売電単価は7〜9円/kWh程度まで下がります。そのまま任せるか、買取先を乗り換えるか、発電した電気の使い方を変えるか——この記事では、卒FIT後に取れる3つの選択肢を、それぞれのメリット・デメリットとあわせて整理します。

この記事の結論

卒FIT後は売電継続・自家消費・蓄電池追加の3択です。単価差の構造上、自家消費+蓄電池が有利になりやすいですが、条件次第で売電継続も対等な選択肢です。

  • 卒FIT後に何もしなければ、多くの電力会社で自動的に標準買取プラン(7〜9円/kWh程度が目安)へ移行し、売電自体は途切れず続けられます
  • 電気の購入単価(契約により26〜31円/kWh程度)は売電単価より高いため、発電した電気を自家消費する方が経済的に有利になりやすい構造です
  • 今日やることは、自分の卒FIT時期と検針票に載っている電気の購入単価を確認することだけです

蓄電池を追加するかどうかは初期費用と回収年数の見通し次第で判断が変わるため、まず複数社の費用感を無料で比較しておくと具体的に検討しやすくなります。蓄電池の無料一括比較サイト【タイナビ蓄電池】

結論——卒FIT後は「売電継続」「自家消費」「蓄電池追加」の3択

卒FIT後に取れる選択肢は大きく3つです。これまでどおり電気を売り続ける「売電継続」、発電した電気を自宅で使う「自家消費」への切り替え、自家消費しきれない分を蓄電池にためて夜間や発電の少ない日に使う「蓄電池の追加」です。売る単価(7〜15円/kWh程度)と買う単価(26〜31円/kWh程度、契約や地域で異なります)の差が大きいため、自家消費や蓄電池で電気を買わずに済ませるほうが、多くの家庭で経済的に有利になりやすい構造にあります。

ただしこれは一般的な傾向であり、すべての家庭に当てはまる断定ではありません。日中ほとんど家にいない、蓄電池に回す初期費用の余力がない、といった事情があれば、売電継続も十分に対等な選択肢です。次の見出しから、それぞれの仕組みと判断材料を順番に見ていきます。

卒FITとは——固定価格買取期間(10年)が終わるとどうなるか

住宅用太陽光発電(10kW未満)の固定価格買取(FIT)制度は、買取期間が10年間と定められています。この10年が過ぎ、固定価格での買取契約が満了することを「卒FIT」と呼びます。制度そのものが終わるわけではなく、設置した年に応じて一人ひとりの買取契約が順番に満了していく仕組みです。

住宅用の余剰電力買取制度は2009年11月に始まったため、最初に卒FITを迎える世代は2019年11月でした。この2019年11月・12月の2か月だけで、約53万〜55万世帯が買取期間の満了を迎えたと紹介されています。ご自身の卒FIT時期は「設置(認定)を受けた年+10年」でおおまかな目安がつきます。例えば2016年に設置した場合は2026年、2017年設置なら2027年が卒FITの年になります。正確な年月は、電力会社やFITポータルで契約書類の認定日を確認してください。

卒FIT後に何も手続きをしなくても、多くの電力会社では自動的に「標準買取プラン」へ切り替わり、売電そのものは途切れずに続けられます。ただし単価は大きく下がります。資源エネルギー庁も卒FIT後の対応を案内する特設ページを公開しており、公的な立場からも「何もしなければ自動移行、その先は自分で判断」という位置づけになっています。

選択肢1: 新しい買取先を探して売電を続ける(卒FIT後の買取価格の相場)

結論から言うと、契約中の電力会社の標準プランに任せたままにするより、卒FIT専用の買取プランに乗り換えたほうが単価が高くなるケースが多くあります。

例えば東京電力エナジーパートナーの標準プラン(FIT満了後の自動移行先)の買取単価は8.5円/kWh・税込とされています。これに対し、2026年1月時点でエネチェンジが紹介する卒FIT買取プランの上位には、スマートテック「スマートFIT」14.6円/kWh、エネクスライフサービス「卒FITでんきプラス」13.5円/kWh、東急パワーサプライ「太陽光余剰電力買取」11.1円/kWhといった単価が並びます。ただし13.5円・11.1円のプランは蓄電池などとのセット契約が条件で、期間限定の単価です。単価だけを見て「卒FITは13円もらえる」と早合点せず、契約条件を必ず確認してください。

関西電力エリアでは上位プランで12円/kWh台という紹介もあり、東京ガスは太陽光電力買取プランで10円50銭/kWh・税込を提示し、蓄電池の購入サポートもあわせて案内しています。丸紅新電力にはSHARP製蓄電池の購入者向けに最大15円/kWh・最大1年間という紹介もありますが、これもセット契約・期間限定の条件つきです。

卒FIT買取価格の比較ランキングは更新頻度が高く、時期によって変動します。ここで紹介した単価は2026年1月時点の比較サイトの情報であり、実際に乗り換える前に各社の公式サイトで最新の単価と契約条件を確認してください。

選択肢2: 自家消費に切り替える(電気代削減効果の考え方)

卒FIT後の売電単価(7〜15円/kWh程度)は、電力会社から電気を買う単価より大きく低くなります。この差額分だけ、発電した電気を安く売るより、自宅で使って高い分の購入を浮かせるほうが経済的に有利になりやすい、というのが自家消費の基本的な考え方です。

電気の購入単価は契約プランや地域で異なりますが、目安として東京電力の従量電灯Bでは26〜31円/kWh程度の水準に、再エネ賦課金(2026年度は4.18円/kWh)が別途上乗せされます。正確な単価は、ご自宅の検針票に記載されている数字で確認してください。

自家消費の経済メリットは、大まかには「電気の購入単価+再エネ賦課金相当分」を浮かせられる分だけ、と整理できます。業界メディアでは自家消費率を40〜60%程度まで引き上げられると光熱費削減効果が高まるという目安が紹介されていますが、これは経済産業省などの公的統計に基づく数字ではなく、あくまで業界の目安として捉えてください。

具体策としては、エコキュートや洗濯機・食洗機を日中の発電時間帯に稼働させる、といった使い方の工夫が挙げられます。ただし、この工夫でどれだけ電気代が下がるかを示す定量的なデータは確認できておらず、まずは自分の電気使用パターンを検針票で把握するところから始めるのが現実的です。

選択肢3: 蓄電池を後付けする(費用対効果の考え方)

蓄電池を後から追加する主な狙いは、自家消費しきれず売電に回っていた昼間の余剰電力をためておき、夜間や発電量が少ない日に使うことで、自家消費の割合をさらに引き上げることです。

費用対効果は、「削減できる電気代+伸ばせた自家消費の価値」と「蓄電池の初期費用・工事費」を比べて、何年で回収できるかという整理になります。容量帯別の費用相場や、単機能型・ハイブリッド型といった後付け方式の技術的な選び方は蓄電池だけを後付けする記事で詳しく整理しています。目安としては5kWh前後で本体・工事費込み約100万〜150万円が相場です。

蓄電池を入れるかどうかの意向については、調査によって結果が割れています。2019年にグッドフェローズが太陽光設置者向けに行ったアンケートでは、回答者の54%が「卒FIT後は蓄電池等を購入して自家消費したい」と回答した一方、日経クロステックが紹介した別の調査では、卒FITの認知度は7割にのぼるものの、自家消費より「売電」を望む声のほうが多いという逆の結果も出ています。どちらか一方が「正解」というわけではなく、ご自身の在宅時間や電気使用量に照らして判断する材料として受け止めてください。

初期費用を抑えたい場合は、国・自治体の補助金が使えないかを確認する余地もあります。2026年度の補助金の全体像は補助金一覧の記事にまとめています。

どれが向いているかの判断軸(日中在宅時間・電気使用量・初期費用の余力)

3つの選択肢のどれが向いているかは、主に3つの軸で考えると整理しやすくなります。

1つ目は日中の在宅時間です。共働きなどで日中の在宅時間が短い家庭は、発電した電気をその場で自家消費しにくいため、売電継続を軸にするか、蓄電池で時間帯をずらして自家消費するかが判断の分かれ目になります。

2つ目は電気の使用量です。オール電化やEVの充電など、電気使用量が多い家庭ほど、自家消費や蓄電池のメリットが出やすい傾向があります。

3つ目は初期費用の余力です。蓄電池は本体・工事費込みで100万円台からとまとまった費用がかかります。すぐに用意できない場合は、まず売電継続や自家消費の工夫(家電の使用時間を日中にずらすなど)から始め、蓄電池は次のステップとして検討する、という段階的な考え方もあります。太陽光本体の設置費用や回収年数の考え方は太陽光発電の設置費用の記事で解説しています。

どの軸で見ても、まず自分の電気使用量と在宅時間を把握し、複数の選択肢を比較したうえで決めることが、遠回りに見えて確実な進め方です。

よくある質問

卒FIT後の売電価格はいくらになりますか?

契約中の電力会社の標準プランに任せると7〜9円/kWh程度(東京電力エナジーパートナーの標準プランは8.5円/kWh・税込)が目安です。卒FIT専用プランに乗り換えれば、2026年1月時点でセット契約などの条件つきで11〜15円/kWh程度のプランも紹介されています。単価は時期・エリアで変わるため、乗り換え前に各社公式サイトで最新の条件を確認してください。

卒FIT後に蓄電池を追加する費用はいくらですか?

容量帯によって幅がありますが、5kWh前後で本体・工事費込み約100万〜150万円が目安です。容量が大きくなるほど総額は上がります。技術的な選び方や容量帯別の詳しい費用相場は蓄電池だけの後付けの記事で整理しています。

卒FIT後も売電を続けることはできますか?

続けられます。多くの電力会社では手続きをしなくても自動的に標準買取プランへ移行し、売電が途切れることはありません。単価をより高くしたい場合は、卒FIT専用の買取プランへの乗り換えを検討する方法もあります。

次の一手

卒FIT後にどれを選ぶか、今日この場で決め切る必要はありません。まず決めるべきは、自分の卒FIT時期と、検針票に載っている電気の購入単価を確認することだけです。ここが分からないまま比較しても、どの選択肢が得かは判断できません。

確認が終わったら、契約中の電力会社の標準プランの単価と、卒FIT専用プランの単価を比べてみてください。その差が小さければ売電継続で十分ですし、差が大きく電気使用量も多い家庭なら、自家消費や蓄電池の追加を検討する価値があります。蓄電池を選択肢に入れる場合は、複数社の費用感をまとめて比較しておくと、初期費用と回収年数の見通しが具体的になります。蓄電池の無料一括比較サイト【タイナビ蓄電池】

卒FIT後はどうする?売電・自家消費・蓄電池——3つの選択肢を比較

参考資料