退職代行の料金相場は2〜3万円。弁護士・労組・民間の費用差と追加料金の落とし穴
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退職代行の料金ページをいくつも開いては閉じて、このページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。気になっているのは2万円か3万円かの差そのものより、「あとから追加料金を取られないか」「安い業者に頼んで大丈夫なのか」という不安のはずです。この記事では、民間・労働組合・弁護士の3タイプの料金差と、その金額の裏にある「できることの違い」を出典つきで整理します。読み終わるころには、自分の状況にいくらの・どのタイプが必要か、目安がつくはずです。
タイプ別の料金相場早見表:民間・労組・弁護士でいくら違うか
退職代行の業界全体の料金相場は2万〜5万円とされています(出典: Jump-Ship)。幅があるのは、運営主体によって「できること」と価格帯が段階的に変わるためです。2026年時点の実勢価格をタイプ別にまとめると、次のようになります。
| タイプ | 実勢価格 | 会社との交渉 |
|---|---|---|
| 民間型 | 2万〜2.2万円 | 不可(退職意思の伝達まで) |
| 労働組合型 | 2.4万〜2.9万円 | 可(団体交渉権に基づく) |
| 弁護士型 | 2.75万〜7.7万円+成功報酬 | 可(法律事務全般・訴訟対応も) |
個別のサービスでは、EXIT(民間型)が20,000円、SARABA(労働組合型)が一律24,000円で追加料金なし、退職代行Jobs(弁護士監修+労組提携)がシンプルプラン27,000円・安心パック29,000円、弁護士法人みやび(弁護士型)が27,500円〜77,000円(税込)という料金です(出典: 退職ヒーロー、2026年時点)。タイトルにある「2〜3万円」は、民間型と労働組合型に絞ったときの中心価格帯です。
ひとつ注意してほしいのは、退職代行の料金は改定が頻繁だということです。本記事の金額は執筆時点の調査によるものなので、申し込む前には必ず各社の公式サイトで最新の料金を確認してください。
なお、表の金額はいずれも一括の基本料金です。追加料金のない労働組合型から検討したい方は、申し込みの前に無料相談で対応範囲と総額を確かめておくと、この後の比較がぐっと楽になります。
料金に含まれるもの・含まれないもの(追加料金とオプションの実例)
基本料金に含まれるのは、一般に「会社への連絡を代わりに行うこと」です。差がつくのはその外側で、確認すべき点は3つあります。
- 成功報酬の有無。弁護士型では、未払い残業代や退職金の請求を依頼した場合、回収額に応じた成功報酬が別にかかるのが一般的です。実例として、弁護士法人みやびは回収額の20%です(出典: 退職ヒーロー)。
- 組合費の扱い。労働組合型では、料金とは別に組合費が必要かどうかが各社で異なります。退職代行ガーディアンのように「一律料金・組合費込み」と明示しているサービスもあるので、総額表記かどうかを確認してください(出典: ベンナビ労働問題の比較ページ)。
- 回数や期間の制限。連絡回数に上限があるか、退職完了まで対応してもらえるかは、料金表ではなく利用規約側に書かれていることが多い項目です。
「一律」「追加料金なし」と明記されたサービスを選び、明記のないサービスには申し込み前に総額を質問する。それだけで、追加料金の落とし穴はほぼ避けられます。
「相場より極端に安い代行」を選ぶ前に確認すること(非弁リスク)
相場を大きく下回る料金には、理由があります。ここで知っておきたいのが「非弁行為」です。弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を業として行うことは、弁護士法72条で禁止されています(出典: ベンナビ労働問題)。民間型の代行ができるのは「退職の意思を伝える使者」までで、有休消化・未払い賃金・退職金といった退職条件の交渉を民間業者が行うと、非弁行為に該当します(出典: 同上)。
これは机上の話ではありません。2026年2月には、業界最大手とされた退職代行「モームリ」の運営会社代表らが、利用者を弁護士に有償であっせんした弁護士法違反の容疑で警視庁に逮捕されました(出典: 時事通信・東京商工リサーチ)。あくまで容疑段階の事実ですが、大手であっても運営の適法性は別問題だ、ということを示す出来事です。
安さに惹かれたときは、次の3点を確認してください。①運営主体はどこか(民間か・労働組合か・弁護士か)、②民間型なのに「交渉します」と謳っていないか、③その安さの理由が説明されているか。安いこと自体は悪ではありません。安さと引き換えに何ができないのかを、先に知っておくことが大切です。
高くても弁護士型を選ぶべきケース:未払い残業代・損害賠償の話が出ているとき
会社と交渉できるのは、法律事務全般を扱える弁護士と、団体交渉権を持つ労働組合だけです。そのうえで、訴訟への対応や損害賠償の話まで扱えるのは弁護士に限られます(出典: ベンナビ労働問題)。
したがって、未払い残業代を請求したい、会社から「辞めるなら損害賠償だ」という話が出ている、といった状況では、基本料金の安さでなく弁護士型を選ぶのが筋です。弁護士型の成功報酬は回収できた金額に対してかかる仕組みなので、請求がうまくいけば費用は回収額の中から支払える構造になっています。逆に、そうした争点がなく「伝えて、有休を消化して、辞めたい」だけなら、労働組合型で足りるケースが多い。料金の差は、必要な権限の差で選ぶものです。
支払い方法・後払い・返金保証の条件を比べる
支払いは一括前払いが基本ですが、後払いに対応するサービスも存在します。また「退職できなかった場合は全額返金」といった返金保証を掲げるサービスもあります。ここで見るべきは、その適用条件です。「退職できなかった」の定義、返金の申請期限、後払いの手数料の有無は各社で異なり、改定もされます(出典: 各社公式サイト・2026年時点の調査)。保証の文言だけで選ばず、条件のページまで読んでから決めてください。この一手間が、料金表には出ない差になります。
有休が残っていれば実質負担はほぼ回収できる、という計算
最後に、費用の見え方が変わる計算をひとつ。年次有給休暇は労働基準法39条に定められた労働者の権利です(出典: 厚生労働省リーフレット)。仮に月給24万円・月の所定労働日数20日の方なら、1日あたりの給与は約1万2,000円。有休が20日残っていれば、消化して辞めることで約24万円分の給与を受け取りながら退職日を迎えられる計算になります(金額はあくまで計算例で、月給と労働日数によって変わります)。
代行費用の2万〜3万円をためらう気持ちはよく分かります。ただ、言い出せないまま有休を捨てて辞めるほうが、金額としてははるかに大きな損になり得る。この比較は、ぜひご自身の給与明細の数字でやってみてください。有休消化の具体的な手順と、拒否されたときの対処は残った有休20日を捨てて辞めるのはもったいない。消化の手順と拒否されたときの対処に、3タイプのどれを選ぶかの詳しい判断は弁護士・労組・民間3タイプの違いと失敗しない選び方にまとめています。
次の一手
退職代行の料金を深夜に調べていることに、後ろめたさを感じる必要はありません。直近1年に転職した20代の18.6%が退職代行を利用しています(出典: マイナビキャリアリサーチLab 2024)。お金を払って辞め方を整えるのは、逃げではなく段取りです。
今日の一歩は小さくて構いません。給与明細か勤怠システムで、自分の有休残日数を確認する。それだけで、この記事の計算が自分の数字になります。そのうえで、候補にしたタイプの公式料金ページを2つブックマークしておく。申し込むかどうかは、今日決めなくていい。ただ「いつ決めるか」だけ、今日決めておきましょう。