遺品整理は自分でやる?業者に頼む?費用と手間で比べる判断基準
本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。掲載サービスの選定基準は広告掲載ポリシーをご覧ください。
実家の遺品整理を前に、「自分たちでやれば費用は抑えられるはず」と思う一方で、体力も時間も足りるのだろうかという不安がよぎっていないでしょうか。悲しみが癒えないうちに、片付けという体力仕事まで背負わなければならないのは、理不尽に感じて当然です。かといって決めきれないまま先送りにすると、賃貸物件なら家賃は作業が終わるまで発生し続けます。この記事では、自分でやる場合と業者に頼む場合を費用・時間・体力の面から比べ、あなたの実家に合った判断基準を整理します。
荷物の量と使える時間で決まります。1Kで数日なら自分で、家財が多く期限が迫るなら業者が現実的です。
- 自分でやる場合、1Kの総額目安は1万〜5万円程度です(自治体処分費用中心・出典: みんなの遺品整理)
- 大型家具の搬出や遠方の実家では、一人での作業に限界が出やすくなります
- 今日やることは、実家の荷物量をひと部屋ずつ写真に撮っておくことだけです
自分でやるか業者に頼むかを決める前に、プロがどんな段取りで進めているかを知っておくと判断がぶれません。『プロに学ぶ遺品整理のすべて』(木村榮治・WAVE出版/Amazon)には、プロの目線での仕分け・搬出の手順がまとまっており、自分でどこまでやるかを線引きする材料になります。
結論——荷物の量と時間的な余裕で判断が変わる
自分でやるか業者に頼むかに、万人共通の正解はありません。実家の荷物の量、実家までの距離、動ける日数、そして体力の4つで、答えは変わります。
目安として、1K・1LDKのように荷物が少なく、通える範囲に実家があるなら、自分たちだけで数日かけて片付けることは十分に可能です。一方、2LDK以上で荷物が多い、実家が遠方で通える日数が限られている、大型家具や重い家電が多いといった条件が重なるほど、自分だけで終わらせるのは難しくなります。まずは自分でやる場合に実際にかかるものを、具体的に見ていきましょう。
自分でやる場合にかかるもの——時間・体力・処分費用・レンタカー代
自分でやる場合、お金の負担は主に「処分費用」と「運ぶための費用」の実費だけです。ただしその分、時間と体力を大きく使うことになります。
主な費用項目は次の通りです。
- 粗大ゴミ処分費用——自治体で処分する場合、1点あたりおおむね300円〜3,000円程度が相場です。金額は自治体ごとに大きく異なり、大阪市の例ではたんす(2m未満)400円、ベッド本体1,000円、ソファ二人掛け以上1,000円などと定められています。お住まいの自治体のサイトで金額を確認してください(出典: 大阪市「粗大ごみ処理手数料一覧表」)。
- 家電リサイクル料金——テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコンの4品目は自治体の粗大ゴミでは出せず、別枠のリサイクル料金がかかります。目安はテレビ1,320〜2,970円、冷蔵庫3,740〜4,730円、洗濯機2,530円程度、エアコン990円程度で、これとは別に収集運搬料が2,000〜3,000円程度必要です(出典: 家電製品協会 家電リサイクル券センター)。正確な金額はメーカー名・型番で確認する必要があります。
- レンタカー・軽トラレンタル代——自分で運び出す場合、1日レンタルでおおむね7,000円〜12,000円程度が目安です(出典: 引越し侍)。
- 資材費——段ボール・ガムテープ・ゴミ袋・軍手など。金額をまとめた資料は見つかりませんでしたが、総額の中に含めて見込んでおく費目です。
これらを合計すると、1Kを自分で整理した場合の総額はおおむね1万〜5万円程度が目安です(出典: みんなの遺品整理)。3LDK規模になると、ゴミ処分費だけで3万〜5万円程度、交通費や資材費を含めると4万円以上を見込んでおく必要があるという情報もあります(出典: やしろ)。物量と自治体の処分費体系によって幅が大きいため、あくまで目安として捉えてください。
時間の面では、間取り別に目安の作業日数があります。業者に依頼した場合と並べると、次のようになります。
| 間取り | 作業日数(自分) | 総期間(自分) | 作業日数(業者) | 総期間(業者) |
|---|---|---|---|---|
| 1K〜1LDK | 1〜3日 | 1〜2週間 | 数時間〜1日 | 1〜2週間 |
| 2LDK〜3LDK | 3〜7日 | 2週間〜1か月半 | 1〜2日 | 2〜4週間 |
| 一戸建て(4LDK以上) | 7〜15日 | 1〜3か月以上 | 1〜3日 | 3週間〜2か月 |
(出典: beprice「遺品整理は何日かかる?作業期間の目安表」)興味深いのは、1K〜1LDKでは総期間が自分でやっても業者に頼んでも1〜2週間とほぼ同じ点です。業者に依頼しても、粗大ごみの予約や見積もり調整の待ち時間が総期間の大半を占めることが多く、「業者に頼めばすぐ終わる」とは限りません。
自分でやることのメリットとデメリット
自分でやる最大のメリットは費用を抑えられることと、思い出の品を家族のペースで確認できることです。ただし、体力面や搬出面での負担も同じだけ大きくなります。
メリット
- 費用を実費(処分費用・レンタカー代程度)に抑えられます。業者に頼めば数万円〜数十万円かかる費用の多くを圧縮できます。
- 写真・手紙・仏壇まわりなど、手が止まりやすい品物を家族のペースで確認しながら仕分けられます。急かされないことは、金額に換算できない価値です。
デメリット
- 体力的な負担が大きく、移動だけでも体力を消耗します。精神的な負荷も軽くありません。
- タンス・ベッド・ソファなどの大型家具は、一人での搬出が難しいケースが多く、2階から搬入された家具などは自力での搬出がほぼ不可能な場合もあります。ほとんどの自治体では、指定場所(屋外)まで自分で運び出す必要があります。
- 実家が遠方の場合、往復の交通費に加え、宿泊費もかかることがあります。
- 賃貸物件では、作業が終わるまで家賃が発生し続けます。管理会社・大家との合意スケジュールに沿って進める必要があり、退去期限が迫っている場合は自分だけで抱え込まないほうが安全です。
親の持ち物を他人の手に委ねることに抵抗があるのは自然な感情です。ただし業者に任せることは、手を抜くことではありません。体力的にきつい部分だけを預け、お別れに向き合う時間を自分の手元に残す、という考え方もできます。
業者に頼む場合との費用比較
業者に頼む場合の費用相場は、間取りによって大きく変わります。1R・1Kで3万〜8万円、2Kで9万〜12万円程度、3DKで17万〜20万円程度、3LDKで15万〜50万円程度、4LDK以上で22万〜85万円程度が目安です(出典: みんなの遺品整理ほか。詳しい間取り別の料金表と、見積書で確認すべきポイントは遺品整理の費用相場の記事にまとめています)。
自分でやる場合の実費(1Kでおおむね1万〜5万円程度)と比べると、業者に頼む場合は数万円〜数十万円と、負担額の桁が変わることがあります。ただし業者費用には人件費・車両費・処分費に加え、大型家具の搬出や仕分けの手間そのものが含まれています。「自分の時間と体力を、いくらで買うか」という視点で比べるのが、実情に近い考え方です。
一部だけ自分でやり、残りを業者に頼む「併用」という選択
多くの場合、現実的な落としどころは「全部自分」か「全部業者」かの二択ではなく、一部だけ業者に任せる併用です。
併用が向いているのは、次のような場合です。
- 基本の仕分けは自分たちでできるが、大型家具の搬出・重い家電・屋外物置だけが難しい
- 賃貸の退去や実家の売却の期限に間に合わせたい
- 精神的に手をつけづらいエリア(親の部屋など)が一部残っている
進め方は、「大型家具の搬出だけ」「重い家電だけ」「屋外物置の整理だけ」というように、依頼する範囲を具体的に指定して一部委託することです。生活必需品や思い出の品は自分たちで確認し、体力的に難しい部分だけをプロに任せます。丸ごと業者に頼むより費用を抑えられ、精神的に手をつけづらい部分の負担も軽減できます。
注意したいのは、依頼範囲を曖昧にしたまま頼むと、オプション作業が増えて追加費用がかさむことがある点です。業者に一部だけ依頼する場合も、契約前に確認すべき基準は全部依頼する場合と同じです。悪徳業者を契約前に見抜くチェックリストの記事で、依頼範囲の明示や書面の見積書など7つの基準を確認してから声をかけてください。
判断チェックリスト——期限・遠方かどうか・親族の合意
最終的な判断は、次の4点を確認することで見えてきます。
- 期限はあるか——賃貸の退去、実家の売却予定、相続放棄を検討しているかどうか。期限が明確なら、それに間に合う進め方を逆算します。
- 実家までの距離はどうか——通える範囲か、遠方で交通費・宿泊費・動ける日数が限られるか。
- 動員できる人数と体力はどうか——大型家具の搬出を任せられる人数がいるか。
- 親族の合意はあるか——誰が・いつ動くか、処分してよいもの・残すものの範囲を事前にすり合わせているか。
実家が遠方で通える日数が限られている方、大型家具や大量の家電が多い方、賃貸の退去期限が迫っている方は、無理に自分だけで終わらせようとしない方が、結果的に負担は小さくなります。反対に、荷物が少なく通える実家で、期限にも余裕があるなら、自分たちのペースで進めて構いません。
作業を進める中で「やっぱり捨てられない」という気持ちが出てきたら、それは自然なことです。親の遺品が捨てられないときの仕分け3分類の記事に、手が止まったときの進め方をまとめています。
よくある質問
遺品整理を自分でやる場合、総額いくらくらいかかりますか?
自治体の処分費用が中心で、1Kを自分で整理した場合の総額はおおむね1万〜5万円程度が目安です(出典: みんなの遺品整理)。3LDK規模ではゴミ処分費だけで3万〜5万円程度、交通費や資材費を含めると4万円以上を見込む情報もあります(出典: やしろ)。間取りや物量で幅が大きいため、あくまで目安として捉えてください。
遺品整理を自分でやると何日くらいかかりますか?
目安として、1K〜1LDKで作業日数1〜3日(総期間1〜2週間)、2LDK〜3LDKで3〜7日(総期間2週間〜1か月半)、一戸建てで7〜15日(総期間1〜3か月以上)とされています(出典: beprice)。物量・分別の手間・動員できる人数によって変わります。
大型家具は自分で処分できますか?
タンス・ベッド・ソファなどの大型家具は、一人での搬出が難しいケースが多いとされています。2階から搬入された家具などは自力での搬出がほぼ不可能な場合もあり、多くの自治体では指定場所まで自分で運び出す必要があります。搬出の部分だけを業者に依頼する併用という選択肢もあります。
次の一手
自分でやるか業者に頼むか、まだ決められずにいるのは、迷っているからではなく、親の持ち物をどちらの形でも大切に扱いたいと思っているからです。それは責められることではありません。
今日決める必要はありません。今日やることは、実家の荷物量をひと部屋ずつ写真に撮っておくことだけです。物量が見えれば、自分でやるか、一部を業者に任せるかの判断がぐっとしやすくなります。
判断材料をもう少し増やしたい方は、『プロに学ぶ遺品整理のすべて』(木村榮治・WAVE出版/Amazon)を読んでおくと、プロがどこまでを自分でやり、どこから業者に任せているかの線引きが具体的に分かります。本を読むことは、業者に依頼する契約でも何でもありません。判断のための材料集めとして、気軽に手に取ってください。片付けの前段階から見直したい方は遺品整理・生前整理のトップページもあわせてご覧ください。「いつ決めるか」だけ、今日決めましょう。


