遺品整理の見積もりは何社取るべき?相見積もりの進め方と業者選びのコツ

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見積書を受け取ったものの、この金額が高いのか妥当なのか判断がつかず、悲しみの中で固まっていませんか。見積もりを1社だけで済ませてしまうと、あとから金額の妥当性を判断する材料がなくなります。実際に遺品整理業者へ依頼した人のうち47.2%が見積もり後の追加請求を経験したという調査結果もあります(LIFULL senior、2023年独自アンケート)。この記事では、相見積もりの進め方と、見積書を比較するときに揃えて見る項目を整理します。

この記事の結論

公的な基準はありませんが、業界の実務上の目安として2〜3社から見積もりを取るのが一般的です。

  • 国民生活センターも「複数の業者から見積もりを取る」ことを注意喚起として挙げています
  • 比較の目的は金額の安さではなく、内訳の説明が具体的かどうかを確かめることです
  • 今日やることは、いま手元にある見積書に「一式」表記だけの項目がないか確認するだけです

見積もりを比較する前に、依頼から契約までの一般的な流れを知っておくと、その場の説明に流されず判断しやすくなります。予習として『プロに学ぶ遺品整理のすべて』(Amazon)に目を通しておく方法もあります。

遺品整理の相見積もりは何社が目安か——公的な基準と業界の実務

結論として、遺品整理の相見積もりに公的な「正解の社数」はありません。国民生活センターは2018年7月19日の報道発表資料で、遺品整理サービスのトラブル事例を挙げたうえで「複数の業者から見積もりを取るなど、契約前に十分な検討を行うこと」を注意喚起として示していますが、具体的な社数の記載はありません。数字を出しているのは業界側で、遺品整理業者や比較サイトのコラムでは「2〜3社」「3社以上」を目安とする記載が複数見られます。国の基準ではなく業界の実務上の目安だと理解しておくと、見積もりの席で「もっと比較しないと」と焦る必要がないことも分かります。

すでに信頼できる業者が1社見つかり、見積書の内訳にも納得している場合は、無理に社数を増やす必要はありません。比較が目的化すると、かえって決断が遅れます。なお、依頼する相手が遺品整理業者か不用品回収業者かによって対応できる作業範囲は変わります。違いは遺品整理と不用品回収の違いにまとめています。

1社だけの見積もりでは、金額が妥当かどうか判断する材料がない

結論として、1社だけの見積もりでは金額の妥当性を判断する基準がありません。比べる対象がなければ、その金額が高いのか相場並みなのか判断のしようがないからです。

LIFULL senior(民間企業)が2023年6月29日〜7月5日に実施した独自アンケート(直近5年以内に遺品整理・生前整理を業者に依頼した全国20〜70代の男女500名対象)によると、トラブル経験者は36.2%、そのうち見積もり後に追加請求を経験した人は47.2%、20万円以上の追加請求を経験した人は5.4%でした。国民生活センターの公式統計ではなく、LIFULL seniorが独自に実施した民間企業のアンケート調査です。

相見積もりを取り相場を把握しておけば、1社だけでは気づきにくい金額の高さや作業内容の水増しに気づきやすくなります。高額な追加請求への具体的な対処法は遺品整理で高額請求されないための確認方法にまとめています。

相見積もりの進め方——訪問見積もりと写真見積もりの違い

結論として、遺品整理の見積もりは「概算をつかむ写真見積もり」と「金額を確定させる訪問見積もり」の2段階に分けると進めやすくなります。

実家から離れて立ち会いが難しい方は、まず写真見積もり(写メ見積り)から始める方法があります。写真を送るだけで概算を確認でき、時間と手間を減らせますが、補足のやり取りに時間がかかることや、訪問見積もりより金額の正確性が劣ることはデメリットです。

近くに住み立ち会える方や、契約する業者を絞り込む段階では訪問見積もりが向いています。実際に部屋の広さや荷物の量を確認したうえで金額を出すため、請求額との差を減らし当日の追加料金を防ぎやすくなります。電話・メールだけのやり取りでは正確な金額を出しにくく、当日の追加料金につながる可能性が指摘されています。

遠方の家族と近くの家族で役割を分け、写真見積もりで候補を絞り込んでから訪問見積もりを依頼する併用の進め方も選択肢です。

見積書を横に並べて比較するときに揃えて見る項目

結論として、見積書を比較するときは金額の大小だけでなく「作業員数」「トラック台数」「処分費用の内訳」「清掃費用の有無」「一式表記の有無」の5点を揃えて見ると差が分かりやすくなります。

確認項目 見るポイント
作業員数 部屋の広さや荷物の量に応じた人数か。目安は1Rで2名程度、4LDKで6名程度。極端に少ないと人件費が上がり、多すぎる場合は水増しを疑います。
トラック台数 1台あたり5万円〜15万円程度が加算されるのが一般的。台数と金額の対応を確認します。
処分費用の内訳 荷物の量(トラック◯台分など)や家電リサイクル品の個別記載、処分先が自治体施設か民間施設かを確認します。
清掃費用の有無 仕分け・搬出・査定・処分・清掃のうち清掃が見積もりに含まれているか。含まれない場合、追加請求につながりやすいとされます。
「一式」表記の有無 「作業一式◯円」だけの記載は内容を検証できません。内訳の明記を求めます。

業者によって「部屋の広さで決まる定額パックか、荷物の量で変わる従量課金か」で算定方式が異なるため、同じ条件で比較することが重要です。項目名が同じでも作業内容が違う場合があるため内訳を確認してください。より詳しい業者選びの基準は遺品整理業者の選び方7つの基準で扱っています。作業日程やキャンセル料、前払い条件、買取値引きの反映も比較の際に見ておく項目です。

相見積もり後、契約しない業者への断り方

結論として、見積もりを依頼しただけで契約する義務はなく、断ることは失礼にあたりません。

遺品整理業界に特化した公的な「断り方」のガイドは見当たりませんが、相見積もり全般で共通するマナーがあります。見積もり作成の労力への感謝を伝え、契約しない理由を正直かつ簡潔に伝えます。「他社に依頼することにしました」の一言で十分とされています。

連絡手段は電話でもメールでも構いません。電話は気持ちが伝わりやすく、メールは記録が残りトラブルを防ぎやすい特徴があります。断ったあとにしつこく食い下がる、即決を迫るような対応は業者選びで避けるべきサインと考えてよいでしょう。

まとめ——比較してから契約するという手順を守るだけでいい

結論として、遺品整理の見積もりは社数そのものより「比較してから契約する」手順を踏むことが重要です。2〜3社という数字は目安に過ぎず、金額の妥当性を確かめる手段だと捉えてください。

親の持ち物を他人に見積もらせること自体に抵抗を感じる方も少なくありません。それでも比較の手間は、故人の持ち物を粗末に扱うことではなく、納得できる形で送り出すための準備です。

よくある質問

遺品整理の相見積もりは何社取ればいいですか?

国民生活センターは具体的な社数を定めていませんが、業界の実務上の目安として2〜3社から見積もりを取るのが一般的です。同じ条件で複数社に依頼し、金額だけでなく見積書の内訳が具体的かどうかもあわせて確認してください。

相見積もりは写真だけでも取れますか?

写真見積もり(写メ見積り)は概算を把握する手段として利用でき、遠方に住む家族や立ち会いが難しい方に向いています。ただし訪問見積もりに比べて金額の正確性は劣るため、契約前には訪問見積もりで金額を確定させることが望ましいとされています。

相見積もり後、契約しなくても問題ありませんか?

問題ありません。見積もりを依頼しただけで契約する義務は発生しません。断る際は、見積もり作成の労力に感謝を伝えたうえで「他社に依頼することにしました」と理由を簡潔に伝えれば十分とされています。

次の一手

見積もりを比較することは、親の持ち物を値踏みする行為ではありません。納得できる形で送り出すための準備です。編集部にも、金額を確認すること自体にためらいを感じたという声が届きます。

今日、何社に依頼するか決める必要はありません。まずは手元の見積書に「一式」表記だけの項目がないか確認することから始めてください。「業者を何社に増やすか」ではなく「見積書をどこまで確認するか」だけ、今日決めましょう。依頼から契約までの流れを具体的に把握したい方は、『プロに学ぶ遺品整理のすべて』(Amazon)で予習する方法もあります。ジャンル全体の道筋は遺品整理のトップページにまとめています。

参考資料

  • 国民生活センター 報道発表資料「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」(2018年7月19日): https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20180719_1.html
  • 国民生活センター 見守り情報(mj-shinsen525): https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen525.html
  • LIFULL senior「遺品整理に関する調査」(2023年): https://lifull-senior.com/news/230817.html
  • ベストワーカーズ 遺品整理の見積書コラム: https://www.bestworkers.jp/ihin-seiri/quotation/
  • ジャンボコアラ 遺品整理業者の選び方コラム: https://jambokoara.com/column/5376/