訪問介護と施設介護、転職するならどっちがいい?働き方の違いを比較
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訪問介護と施設介護、求人を見比べていても「結局どちらが自分に合うのか」がはっきりしないまま検索を続けている方は多いはずです。仕事内容も勤務形態も資格要件もまるで違うのに、求人サイトの説明だけでは実態がつかみにくいというのが実情です。この記事では、厚生労働省の統計や公的な資格基準をもとに、訪問介護と施設介護の働き方の違いを項目ごとに整理し、自分にはどちらが向いているかを判断する材料をお渡しします。
訪問介護と施設介護は「1対1でじっくり向き合いたいか」「チームで役割分担して働きたいか」で向き不向きが分かれ、一律にどちらが良いとは言えません。
- 給与は施設(特養)がやや高い傾向ですが、差は月1万円台です(厚生労働省令和6年度調査)
- 訪問介護は夜勤なしが基本、施設介護は交代制勤務が基本という違いがあります
- 今日やることは、この記事の4つのチェックポイントで自分の希望を整理することだけです
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仕事内容の違い——訪問は1対1の個別ケア、施設はチームケア
訪問介護は利用者の自宅で1対1のケアを行う「個別ケア」、施設介護は入居施設の中で複数の利用者を同時並行でケアする「多職種でのチームケア」が基本です。
訪問介護員(ホームヘルパー)は、ケアプランに沿って入浴・排せつ・食事などの身体介護と、調理・洗濯・掃除などの生活援助を提供します。1人の訪問介護員が1日に何軒もの利用者宅を移動して回るのが一般的な働き方です。一方、施設介護は身体介護が中心で、特養・老健・有料老人ホームなど施設の種類によって配置人員や設備は異なりますが、24時間365日同じ場所で早番・日勤・遅番・夜勤の交代制勤務を行う点は共通しています。施設の種類ごとの違いは老人ホーム8種類の違いを整理した記事で詳しく比較しています。
給与・年収の違い
厚生労働省の調査では、施設(特養)介護職員の給与が訪問介護員よりやや高い傾向にありますが、その差は月1万円台にとどまります。
厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」(令和6年9月時点)によると、訪問介護員の平均給与額は349,740円(前年同月比+16,930円)、特別養護老人ホーム介護職員の平均給与額は361,860円(前年同月比+14,890円)でした。いずれも介護職員等処遇改善加算を取得している事業所が対象で、基本給に手当と一時金(4〜9月支給額の1/6)を加えた総額です。過去の参考値として、令和3年度介護従事者処遇状況等調査では訪問介護事業所(常勤)314,590円、介護老人福祉施設(特養、常勤)345,590円という数値もあり、いずれの年度も「施設の方がやや高い」という傾向は共通していますが、「圧倒的に高い」というほどの差ではありません。
勤務形態の違い——訪問は夜勤なしが基本、施設は交代制勤務
訪問介護は夜勤のない働き方の代表例として挙げられることが多く、施設介護は24時間体制のため交代制で夜勤が発生するのが基本です。項目ごとの違いを表にまとめました。
| 項目 | 訪問介護 | 施設介護 |
|---|---|---|
| 仕事内容 | 利用者宅で1対1の個別ケア(身体介護+生活援助) | 入居施設内で複数利用者への多職種チームケア |
| 給与 | 平均349,740円(令和6年度・厚労省調査) | 平均361,860円(特養・令和6年度・厚労省調査) |
| 勤務形態 | 日中勤務が中心、夜勤なしが基本 | 早番・日勤・遅番・夜勤の交代制 |
| 必要資格 | 介護職員初任者研修修了以上が原則必須 | 無資格・未経験可のケースも多い |
| 体力負担 | 利用者宅間の移動負担があると言われる | 入浴介助・移乗など介助動作の負担があると言われる |
| キャリアパス | サービス提供責任者→ケアマネジャーという道がある | リーダー職・生活相談員などが一般的に紹介される |
深夜勤務が「ある」事業所の割合は、施設系(入所型)62.6%、居住系67.8%という調査結果を紹介する求人媒体の記事もあります(一次統計名までは特定できていない二次情報です)。夜勤がある施設では深夜割増賃金・夜勤手当が支給されるため、日勤のみの働き方より給与が高くなる傾向があるという解説も複数あります。ただし訪問介護にも「夜間対応型訪問介護」「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」という夜間対応を行うサービス類型が存在するため、「訪問介護には絶対に夜勤がない」とは言い切れません。夜勤の有無を重視する方は、介護職の夜勤なし・日勤のみ求人の探し方をまとめた記事も参考にしてください。
必要な資格の違い——訪問介護は初任者研修修了以上が原則必須
訪問介護員は1人で利用者宅を訪問して身体介護を行うため、原則として介護職員初任者研修(130時間、通信40.5時間+スクーリング89.5時間)以上の資格取得が必要とされます。一方、施設介護は無資格・未経験でも採用されるケースが多く、入職後にOJTで学びながら資格取得を目指せる求人も存在します。
訪問介護員の資格要件の法的根拠は「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第37号)で、介護福祉士・実務者研修修了者・介護職員初任者研修修了者・生活援助従事者研修修了者・旧ホームヘルパー1級/2級課程修了者・看護師/准看護師などが認められる資格として挙げられています。この対比はあくまで「働き方を選ぶときの判断材料」であり、資格の種類や取得順序の詳しい解説はここでは省きます。働きながら資格を取りたい方には、ユースタイルカレッジで実務者研修を探すという選択肢もあります。
体力・移動の負担の違い
体力面の負担は、訪問介護は「移動」、施設介護は「介助動作」というように負担の質が異なると言われています。どちらが体力的に楽かは一概には言えません。
訪問介護では車・自転車・徒歩での移動が必要で、複数軒を回るための体力・時間管理が求められると言われています。施設介護は入浴介助・体位変換・移乗(ベッド⇔車椅子⇔トイレ)など、身体を密着させる介助が1日に何度も発生し、特に腰への負担が大きいと一般的に言われていますが、これを定量化した一次統計は見つかっていません。
キャリアパスの違い
訪問介護を選んだ場合の代表的なキャリアアップ先は「サービス提供責任者(サ責)」で、その先にケアマネジャー(介護支援専門員)を目指す流れがよく紹介されます。
無資格から目指す最短ルートは、実務者研修(450時間カリキュラム、最短でも半年程度)の取得だとされています。サービス提供責任者は訪問介護計画の作成やヘルパーの管理を担う役割で、身体介助が減り夜勤もなくなるため、年齢を重ねてからのキャリアとしても選ばれやすく、その先にケアマネジャーを目指す流れがよく紹介されます。施設介護でもリーダー職や生活相談員といった役割が一般的に紹介されますが、これを裏付ける一次統計は見つかっていません。
どちらが向いているか——4つのチェックポイント
訪問介護と施設介護のどちらが向いているかは、以下の4つの観点で自分の希望を整理すると判断しやすくなります。
1人でじっくり向き合いたいか、チームで役割分担したいか。訪問介護は利用者と1対1で向き合う仕事で、マンツーマンで特定の利用者にじっくり寄り添いたい人に向いていると言われます。現場は基本的に1人での勤務のため同僚との人間関係のストレスに悩みにくい一方、困ったときにその場で相談できる同僚がいない、判断を1人で下す場面が多いという裏返しの特徴もあります。施設介護はチームでのケアが基本のため、多職種・同僚との連携力やチームワークが重視され、人間関係が合わないと働きにくさに直結しやすいとも言われています。
夜勤の有無を重視するか。生活リズムを一定に保ちたい方には訪問介護の夜勤なし中心の働き方が、夜勤手当を含めた収入を重視する方には施設介護の交代制が合っている場合があります。
給与差をどう見るか。施設(特養)の方が月1万円台ほど高い傾向はありますが、事業所ごとの加算取得状況で変わる差であり、これだけで一方に決める材料としては小さいとも言えます。
移動と介助動作、どちらが自分の体力・生活スタイルに合うか。車や自転車での移動が苦にならないか、介助動作による腰への負担をどう感じるかは個人差が大きい部分です。
働き方の希望が固まっても、実際にどんな求人があるか分からず不安な方は、ブランクがあっても介護職に転職できるかを整理した記事もあわせてご覧ください。紹介サービスの仕組みそのものについては老人ホーム紹介サービスの仕組みと使い分けを比較した記事で整理しています。
よくある質問
訪問介護と施設介護、給料が高いのはどっちですか?
厚生労働省令和6年度調査では、特養介護職員が平均361,860円、訪問介護員が平均349,740円で、施設の方がやや高い傾向です。ただし差は月1万円台で、事業所の加算取得状況などにより変わります。
訪問介護は未経験でもなれますか?
訪問介護員は1人で利用者宅を訪問するため、原則として介護職員初任者研修(130時間)以上の資格取得が必要とされています。無資格からいきなり訪問介護に就くのは、施設介護に比べて難しい傾向です。
訪問介護から施設介護に転職することはできますか?
できます。訪問介護員として取得した介護職員初任者研修や実務者研修などの資格は施設介護でも共通して評価されるため、資格や実務経験を活かした転職が可能です。求人ごとに求められる経験は異なるため、応募前の条件確認をおすすめします。
次の一手
訪問か施設か、完全に決め切ってから動く必要はありません。この記事の4つのチェックポイントで自分の希望を整理したら、まずは気になる求人を1件、紹介サービスに相談して聞いてみるところから始められます。今日決めるのは「いつ相談するか」だけで十分です。
ヒューマンライフケアで求人を探す 介護職の転職や施設探しに関する他の記事は介護施設探しジャンルのトップページからご覧いただけます。
参考資料
- 仕事内容の違い caitech.co.jp https://caitech.co.jp/media/11168/ / きらケア https://job.kiracare.jp/note/article/22236/ / ウェルミーマガジン https://www.kaigojob.com/magazine/job-qualification/article1034 / きらケア https://job.kiracare.jp/note/article/53189/
- 厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」を報じたDoctor Mate https://doctormate.co.jp/blog/newscolumn250325-1 / 厚労省公式ページ https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/24/index.html
- 「令和3年度介護従事者処遇状況等調査」を引用したかいごGarden note https://www.tsukui-staff.net/kaigo-garden/life/home-visit-nursing-care-salary/
- 実労働時間の構成についての解説 きらケア https://job.kiracare.jp/note/article/7199/
- 勤務形態の違い きらケア https://job.kiracare.jp/note/article/9606/ / コメディカルドットコム https://www.co-medical.com/knowledge/article170/ / きらケア https://job.kiracare.jp/note/article/22236/
- 訪問介護員の資格要件 厚生労働省令第37号 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82999404&dataType=0&pageNo=1
- 資格・研修の解説 湘南国際アカデミー https://si-academy.jp/column/shoninsya-job-qualifications/ / きらケア https://job.kiracare.jp/note/article/7147/
- 移動負担の解説 かいごGarden note https://www.tsukui-staff.net/kaigo-garden/howto/home-helper-bicycle/ / イー宅配 https://www.deliverybike-electric.com/how-to-move/home-visit-care.html
- キャリアパスの解説 ウェルミーマガジン https://www.kaigojob.com/magazine/job-qualification/article0313 / きらケア https://job.kiracare.jp/note/article/11255/ / ウェルミーマガジン https://www.kaigojob.com/magazine/job-qualification/article1093
- 「向いている人」の解説 きらケア https://job.kiracare.jp/note/article/7189/ / ささえるラボ https://mynavi-iryofukushi.jp/media/articles/1114
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