墓地の名義変更(承継)とは?改葬前に必要な手続きと必要書類
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遠方のお墓を改葬しようと役所や霊園に問い合わせたところ、「まず名義変更を済ませてください」と言われて戸惑っていないでしょうか。名義人だった親がすでに亡くなっている場合、家族の間で「誰がお墓を継ぐか」が決まっていても、それだけでは霊園や寺院の管理台帳の名義は書き換わりません。名義が整理されないままだと、改葬許可の申請が先に進められない場合があります。この記事では、名義変更(承継)が必要になる理由・法律上の位置づけ・手続きの流れと費用の目安を、自治体の公式情報にもとづいて整理します。
墓地の名義人が亡くなったら、改葬許可を申請する前に、墓地の管理者へ名義変更(承継)の届出を済ませておくことが多くの場合で必要です。
- 家族間で承継者が決まっていても、管理者への届出をしないと管理台帳の名義は変わりません
- 必要書類・手数料は霊園や寺院ごとに異なるため、まず管理者への確認が最初の一歩です
- 今日やることは、お墓の管理者(寺院・霊園・自治体)の連絡先を確認しておくことだけです
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結論——名義人が亡くなったら、改葬の前に墓地の名義変更(承継)が必要になることが多い
お墓の名義人(墓地使用者)が亡くなった場合、多くの霊園・寺院墓地の規則では速やかに承継(名義変更)の手続きを行うよう定められています(姫路市・八王子市・東京都立霊園の公式案内による)。改葬を考えている方は、名義変更を先に済ませておくとその後の手続きに進みやすくなります。反対に名義が未整理のまま相談を進めると、途中で「まず名義変更から」と案内を受け、手続きが止まってしまうことがあります。
名義変更が必要になるケース
名義変更が必要になる典型的なケースは、墓地使用者(名義人)が死亡した場合です。存命のうちに承継者を決めて事前に手続きしておくケースもありますが、多くはご本人が亡くなった後、ご遺族が初めて「名義変更が必要」だと知ることになります。お墓が遠方で長らく墓参りに行けていなかった場合、いつ亡くなったのか、誰が今の名義人なのかがはっきりしないまま時間が経っていることもあります。心当たりがある方は、改葬を検討する前にまず墓地の管理者へ現在の名義を確認しておくと、後の手続きがスムーズです。
法的な位置づけ——祭祀財産の承継(民法897条)と墓地使用権の関係
お墓の「承継」には2つのレイヤーがあります。1つは家族・親族の間で法的に誰が承継者になるかという話、もう1つは墓地・霊園の管理者への名義変更の届出です。
法的な承継のルールを定めるのが民法897条(祭祀に関する権利の承継)です。系譜・祭具・墳墓の所有権は、被相続人の指定があればその者、指定がなければ慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継し、慣習が明らかでないときは家庭裁判所が承継者を定めると規定されています(逐語引用はe-Gov法令検索での確認を前提とします)。承継の優先順位は①被相続人の指定→②慣習に従う祭祀主宰者→③家庭裁判所が定めた者、の順とされています。
897条の条文自体に「墓地の使用権(永代使用権)」という言葉は登場しません。ただし複数の専門家メディアの解説では、墓地の使用権は墓石の所有権に付随し墳墓と一体ととらえてよいほど密接な関係にあるとして、897条の祭祀承継のルールに従って扱われるという解釈が定着しているとされます。この解釈の根拠となる具体的な裁判例までは確認できていません。また、法的な承継者が決まっても、それだけで管理台帳が自動的に書き換わるわけではなく、管理者への届出で初めて名義人が更新されます。本記事の「名義変更(承継)」は、この管理者に対する事務手続きを指します。
手続きの流れと必要書類(自治体によって異なります)
名義変更の大まかな流れは、どの管理者(寺院・民間霊園・自治体)でもおおむね共通しています。
- 墓地・霊園の管理者に連絡し、名義人が死亡した旨と承継者候補を伝える
- 管理者から必要書類・手数料の案内を受ける
- 戸籍謄本などの必要書類をそろえて申請書を提出する
- 手数料を支払い、新しい使用許可証(使用券)の交付を受ける
ただし様式・必要書類・手数料は管理者によって異なるため、「まず管理事務所へ確認することが重要」と複数の情報源が案内しています。公営霊園3自治体の実例です。
| 管理者 | 主な必要書類 | 手数料 |
|---|---|---|
| 姫路市(名古山霊苑ほか) | 霊苑使用権承継許可申請書・承継関係図・えい地承継同意書・理由書 | 300円 |
| 八王子市 | 市霊園承継使用申請書・誓約書・承継者の戸籍全部事項証明書・前使用者の死亡証明書類・続柄証明書・身分証明書など | 300円(2026年7月改定) |
| 東京都立霊園 | 承継使用申請書・誓約書・実印と印鑑登録証明書・戸籍謄本・都霊園使用許可証など | 2,000円(2026年4月時点) |
姫路市は4種類の書類で手数料300円。八王子市は戸籍関係を含む7種類前後の書類がそろい、オンライン・郵送・窓口の3経路から選べ、提出から新使用券の交付まで約2週間とされます。東京都立霊園は「祭祀主宰者であること」「原則として使用者の親族であること」が承継の条件で、承継者の指定方法によって追加書類が変わります。同じ公営霊園でもこれだけ幅があります。
民間霊園では名義変更届・永代使用許可証の原本・名義人死亡が記載された戸籍謄本・承継者の戸籍謄本や住民票、印鑑登録証明書、実印が一般的に求められるとされます。寺院墓地はまず住職に連絡して必要書類・手順を確認するのが一般的で、境内墓地では檀家としての務め(護持会費の負担、法要への参加など)も引き継ぐ形になるとされ、早めの挨拶がすすめられています。これは寺院ごとの慣行の紹介であり、当サイトからの価値判断ではありません。
費用の目安
名義変更にかかる費用は管理者の種別によって幅があります。公営霊園は数百円〜数千円程度が目安で、実例として姫路市300円、八王子市300円(2026年7月改定後)、東京都立霊園2,000円(2026年4月時点)を確認できました。民間霊園は数千円〜1万円程度が目安とされます。寺院墓地は手数料自体は無料〜数万円と幅があり、加えて(または代わりに)「お布施」として数千円〜数万円を包む慣習がある寺院もあるとされ、金額は寺格や地域によって差があります。
いずれも個別の実例・目安であり、全国を網羅した統計ではありません。手数料は改定されることもある(八王子市は2026年7月に改定)ため、現在の金額は必ずお墓がある管理者に直接確認してください。
改葬許可申請との順番——自治体・管理者によって扱いが異なります
「名義変更と改葬許可申請、どちらを先にすればいいのか」は多くの方が迷うポイントです。府中市は「現在の墓地使用者が亡くなられている場合は、現在の墓地で墓地使用者を変更してから改葬の手続きをしてください」、八王子市も「ご親族の方が現在の墓地の管理者に連絡を取り、相談をしてから改葬の手続きをしてください」と、いずれも名義変更を先に案内しています。
一方、改葬許可申請の必要書類として「使用者との続柄がわかる戸籍等」の添付で足りるとする案内をする自治体も存在するようです。正式な名義変更(届出完了)を前提とせず、続柄を証明する書類の添付で受け付けるとも読める内容ですが、個別の自治体名までは裏取りできておらず、そうした案内をする自治体もあるという事実確認にとどまります。
全国一律の法律で順番が決まっているわけではなく、扱いは自治体・墓地の管理者によって異なります。実務的には名義変更を先に済ませておくと後の手続きが滞りにくいため、改葬元の管理者と改葬先の市区町村の両方に、進める前に確認することをおすすめします。改葬許可申請そのものの流れは改葬許可証の取り方ガイドで整理しています。
よくある質問
墓地の名義変更をしないまま改葬はできますか?
できない場合があります。府中市や八王子市の公式案内では、名義人が亡くなっている場合はまず名義変更を済ませてから改葬の手続きに進むよう案内されています。続柄を証明する戸籍等の添付で受け付ける自治体もあるようで、扱いは自治体・管理者により異なります。まず改葬元の墓地の管理者に確認するのが確実です。
名義変更の手続きは誰がやればいいですか?
民法897条の考え方では、祭祀を主宰すべき者(被相続人の指定や慣習で決まる承継者)が手続きを進めるのが基本とされます。実際には家族・親族の中で承継者として名乗りを上げる方が、管理者に連絡して進める形が一般的です。誰が承継者になるか迷う場合は、まず家族間で話し合っておくとスムーズです。
名義変更の費用はどのくらいかかりますか?
管理者の種別によって幅があります。公営霊園は数百円〜数千円程度(実例: 姫路市300円・八王子市300円・東京都立霊園2,000円)、民間霊園は数千円〜1万円程度、寺院墓地は手数料無料〜数万円にお布施が加わる場合もあります。いずれも目安であり、正確な金額は墓地の管理者に確認してください。
次の一手
名義変更の手続きは事務的で面倒に感じるかもしれませんが、供養の続け方を家族で決めるための最初の一歩です。書式や必要書類が管理者ごとに違うのは仕方のないことで、理解不足のせいではありません。
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も参考になります。費用は費用相場の記事、代行業者選びは代行比較の記事、手続き全体は墓じまい・改葬ガイドのハブページをご覧ください。


