リフォーム減税とは?所得税額控除の対象工事・控除額・確定申告の流れ【2026年版】
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外壁塗装や水回りのリフォームを調べていると、「補助金」と並んで「減税」という言葉を目にすることが増えます。この2つは財源も申請の窓口もまったく別の制度です。補助金は国や自治体からの給付金、リフォーム減税(所得税額控除)は確定申告で所得税を差し引く制度です。証明書は工事完了後に発行を依頼するため、準備が遅れると確定申告の期限(原則3月15日)に間に合わないことがあります(出典:国土交通省 証明書のページ)。この記事では対象工事の種類・工事ごとの控除額・確定申告の必要書類を、国税庁と国土交通省の一次情報で整理します。
リフォーム減税は給付金ではなく、確定申告で所得税から直接差し引ける税額控除です。対象工事は6種類あります。
- 耐震・バリアフリー・省エネ・三世代同居・耐久性向上・子育て対応の6種類が対象です
- 給付型の補助金とは別の制度で、要件を満たせば両方を使えます
- 今日やることは、依頼予定の業者が証明書の発行に対応できるか確認することです
結論——リフォーム減税(所得税額控除)と補助金は別の制度
正式名称は「(既存住宅に係る)特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除」、実務上の呼称は「住宅特定改修特別税額控除」、国土交通省の呼び名は「リフォーム促進税制(所得税)」です(出典:国税庁タックスアンサーNo.1219ほか各号/国土交通省)。自己資金でリフォームした場合でも使える点が住宅ローン控除と異なります(出典:国土交通省)。TRENQで紹介してきた水回り・窓断熱・外壁屋根の補助金は、国や自治体予算から工事費の一部が現金で戻る給付型の制度で、財源も申請窓口も別です。補助金を受けた工事でも要件を満たせば重ねて申告できます(詳細は後述)。この2点を押さえ、対象工事と控除額を見ていきます。
対象になる6つの工事と工事ごとの控除額
対象工事は耐震・バリアフリー・省エネ・三世代同居(多世帯同居)・耐久性向上(長期優良住宅化)・子育て対応の6種類です(出典:国土交通省「令和8年度税制改正概要」PDF)。控除額は「対象工事限度額×10%」が基本の計算構造です。
| 対象工事 | 対象工事限度額 | 最大控除額 |
|---|---|---|
| 耐震 | 250万円 | 25万円 |
| バリアフリー | 200万円 | 20万円 |
| 省エネ | 250万円(太陽光発電設備を設置する場合350万円) | 25万円(35万円) |
| 三世代同居 | 250万円 | 25万円 |
| 耐久性向上(耐震+省エネ+耐久性向上) | 500万円(600万円) | 50万円(60万円) |
| 耐久性向上(耐震または省エネ+耐久性向上) | 250万円(350万円) | 25万円(35万円) |
| 子育て対応 | 250万円 | 25万円 |
括弧内は太陽光発電設備を設置する場合の限度額です。限度額を超えた部分や他の増改築等工事にも、一定範囲まで5%の税額控除が上乗せされます。令和8年度税制改正で変わったのは「適用期間の延長」と「床面積要件の緩和」の2点で、表の金額自体は現行制度から変更ありません(出典:国土交通省 同PDF)。
対象要件の要点は次のとおりです(出典:国税庁タックスアンサーNo.1219・1220・1222・1224・1227・1228)。
- 耐震: 昭和56年5月31日以前建築の自己居住用家屋が対象
- バリアフリー: 50歳以上・要介護要支援認定・障害者・高齢者等と同居のいずれかが対象。住宅ローン控除と選択適用
- 省エネ: 窓の改修、またはこれと併せた床・天井・壁の断熱工事が対象
- 三世代同居: 調理室・浴室・便所・玄関のいずれか2つ以上を増設する工事
- 耐久性向上(長期優良住宅化): 認定計画にもとづき耐震または省エネ改修と併せて行う工事
- 子育て対応: 事故防止工事や対面キッチンへの変更等。40歳未満の配偶者・19歳未満の扶養親族がいる人などが対象
補助金との違い・併用の考え方
財源・申請先・タイミングの3点が異なります。補助金は国(環境省・国土交通省・経済産業省等)や自治体予算からの給付金で、登録済みの施工業者が代理申請するケースが多い制度です。リフォーム減税は納税者本人が所得税額を直接差し引く仕組みで、税務署に確定申告して受けます(出典:国税庁タックスアンサー各号/国土交通省)。補助金は予算上限に達すると受付終了する先着型で、窓・断熱リフォームの補助金や水回りリフォームの補助金もこの型です。リフォーム減税は工事完了・居住開始年分の確定申告時(原則翌年2月16日〜3月15日)に申告し、適用期限内なら先着の制約はありません(出典:国税庁タックスアンサー各号)。
補助金を受けた工事でもリフォーム減税は利用できますが、控除額の計算対象になる工事費用から補助金の交付額を差し引いて判定するため二重取りはできません(出典:国税庁タックスアンサーNo.1227ほか)。還付額は補助金なしの場合より小さくなります。外壁・屋根塗装の補助金のように減税の対象工事と重ならない補助金もあるため、自宅の工事がどちらに当てはまるかは業者と確認するのが確実です。
確定申告に必要な書類
耐震改修以外(耐震改修でも一般的)の証明書は「増改築等工事証明書」で、建築士事務所所属の建築士等が発行します。必要書類は登記事項証明書、工事請負契約書(または領収書・工事前後の写真)、設計図書等で、補助金を受けた場合は交付決定通知書等も必要です(出典:国土交通省 証明書のページ)。耐震改修は「住宅耐震改修証明書」を使い、発行者は市区町村の建築指導課等です(出典:同ページ)。
証明書に加え、「住宅特定改修特別税額控除額の計算明細書」(税務署・国税庁サイトで入手可)と家屋の登記事項証明書の添付が必要です(出典:国税庁タックスアンサー各号)。所得税控除は確定申告までに税務署へ、固定資産税の減額は工事完了後3か月以内に市区町村へ提出します(出典:国土交通省 同ページ)。証明書は工事完了後に発行を依頼するため、早めの依頼が必要です。
適用期間(2026〜2028年)と対象になる住宅の条件
令和8年度税制改正により現行の特例措置が3年間延長され、令和8年1月1日〜令和10年12月31日(2026〜2028年)に適用されます。床面積要件の下限も現行50平方メートルから40平方メートルに緩和されます(出典:国土交通省「令和8年度税制改正概要」PDF)。中古の狭小住宅やマンションでも対象になる可能性があります。
参考として、固定資産税の減額措置(工事完了翌年度の税額を耐震1/2、バリアフリー・省エネ2/3、耐久性向上1/3に軽減)も5年間(令和8年4月1日〜令和13年3月31日)延長されています(出典:同PDF)。市区町村への別申請で申告先が異なります。国税庁の解説ページは改正の反映に時間差が生じるため、確定申告前に最新記載を確認してください。
業者選びの段階でできる準備——見積もりの依頼と書類の相談
見積もり段階で、依頼する工事が対象工事(耐震・バリアフリー・省エネ・三世代同居・耐久性向上・子育て対応)のどれに当てはまるか、増改築等工事証明書の発行に対応できる建築士事務所と連携しているか(耐震は市区町村への案内の可否)を確認しておくと、工事後に慌てません。複数の業者に同じ質問をして答えを比べれば対応の差が見えます。リフォーム全体の進め方を先に押さえたい方はTRENQのリフォーム情報ハブで工事別の記事を確認できます。
よくある質問
リフォーム減税と補助金は両方使えますか?
使えます。ただし控除額を計算するときの工事費用から、受け取った補助金の交付額を差し引いた金額で判定するため、還付される金額は補助金なしの場合より小さくなります(出典:国税庁タックスアンサーNo.1227ほか)。
住宅ローン控除とリフォーム減税はどちらも使えますか?
同じ年に同じ工事について両方をフルに使うことはできません。バリアフリー改修は住宅ローン控除との選択適用となり、一度選ぶと選択替えはできないと国税庁のタックスアンサーに明記されています(出典:国税庁タックスアンサーNo.1220)。
証明書はいつ用意すればいいですか?
工事が完了してから発行を依頼する書類のため、確定申告の期限(原則3月15日)に間に合わせるには、工事完了後すぐに建築士事務所や市区町村へ発行を依頼するのが安全です(出典:国土交通省 証明書のページ)。
次の一手
確認することは2つだけです。自宅の工事が6種類のどれに当てはまるか、そして依頼する業者が証明書の発行に対応できるかです。今日決めるのは「証明書に対応できる業者かどうかを、見積もり依頼のときに聞く」ということだけで十分です。
制度の全体像だけでなく、リフォーム工事の進め方や費用感まで一冊で把握したい方は住まいのリフォーム&リノベーションがまるごとわかる本(晋遊舎)も参考になります。
参考資料
- 国税庁タックスアンサー(No.1219省エネ・1220バリアフリー・1222耐震・1224三世代同居・1227耐久性向上・1228子育て対応) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/
- 国土交通省「令和8年度税制改正概要」PDF https://www.mlit.go.jp/page/content/001975596.pdf
- 国土交通省 リフォーム促進税制(所得税)ページ https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000248.html
- 国土交通省 住宅リフォームの減税制度において使用する証明書のページ https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000250.html
この記事は2026年8月24日時点で国税庁・国土交通省の公式サイトから確認できた情報にもとづいています。適用期間・控除額・必要書類は変更される可能性があるため、確定申告の前に最新の公式情報を確認してください。


