看護師は退職代行を使える?人手不足の引き止めと退職までの注意点

本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。掲載サービスの選定基準は広告掲載ポリシーをご覧ください。

夜勤明けでへとへとなのに、次のシフトが頭から離れない。「辞めたい」と伝えても「人手不足だから」「後任が決まるまで待ってほしい」と引き止められ、言い出すタイミングを逃していないでしょうか。こうした引き止めは実際に起きているとされますが(出典: 弁護士法人みやび、レバウェル看護)、人手不足は退職の自由を制限する法的な理由にはならないとされています。この記事では、看護師も退職代行を使えるのか、勤務先の違いや奨学金がある場合の注意点を一次情報で整理します。

この記事の結論

看護師も民法・労基法が適用される労働者のため、退職代行を使えます。ただし公立病院勤務や奨学金がある場合は事前確認が必要です。

  • 民間病院・医療法人勤務なら一般の労働者と同じ枠組みで退職できます
  • 公立病院(地方公務員)勤務は別記事の枠組みが適用されます
  • 今日やることは、奨学金の返還条件を契約書で確認しておくことだけです

一人で判断しづらいときは、女性の退職代行【わたしNEXT】に今の状況を相談してみることもひとつの方法です。

公式サイト

女性の退職代行【わたしNEXT】

「辞めたい」と言えないのは甘えではない——看護師の離職率が示す事実

看護師が「辞めたい」と感じ、実際に辞めていくのは特別なことではありません。日本看護協会「2024年病院看護実態調査」(対象2023年度)によれば、正規雇用看護職員の離職率は11.3%、新卒採用者は8.8%、既卒採用者は16.1%でした(出典: 労働政策研究・研修機構〔JILPT〕、東京都看護協会)。さらに新しい「2025年病院看護実態調査」(対象2024年度・2026年4月発表)では11.0%です(出典: JILPT)。病床規模別では「100〜199床」12.8%「99床以下」12.7%、設置主体別では医療法人14.4%が高い傾向です(同上)。全産業平均との比較を示す一次情報は確認できていませんが、一定数の看護師が実際に離職を選んでいる事実は変わりません。

民間病院・医療法人の看護師は一般の労働者と同じルールで辞められる

民間病院・医療法人に勤務する看護師は、一般の労働者と同じく労働基準法・民法が適用されます。期間の定めのない雇用契約なら、民法627条1項に基づき退職の意思表示から2週間で雇用契約は終了します。有給休暇の取得も労働基準法39条で保障された権利で、退職時にまとめて消化することも原則できます。退職代行を使う場合の弁護士・労働組合・民間の3タイプの権限差は、退職代行はどれを選ぶ?弁護士・労組・民間3タイプの違いと失敗しない選び方で整理した内容が看護師にもそのまま当てはまります。

公立病院・独立行政法人勤務の看護師は身分に注意が必要

勤務先によって身分・適用法令は異なります。公立病院(自治体直営)に勤務する看護師は地方公務員が基本ですが、地方独立行政法人化や指定管理者制度による民間運営の病院も増え、「公立病院ならすべて公務員」とは言い切れません。独立行政法人国立病院機構(NHO)などの職員は、正式な国家公務員ではなく「みなし公務員(準公務員)」として扱われる整理があります。

勤務先 身分の目安 適用される枠組み
民間病院・医療法人 一般の労働者 労働基準法・民法627条(本記事の内容)
公立病院(自治体直営) 地方公務員が基本 地方公務員法(退職に任命権者の処分が必要)
地方独立行政法人・指定管理者制度の病院 公務員でない場合がある 個別の任用形態により異なる
独立行政法人国立病院機構(NHO)など みなし公務員(準公務員)とされる整理あり 個別に要確認

公立病院で地方公務員として勤務する場合、退職の効力発生に任命権者の処分を要するなど異なる枠組みが適用されます。該当する方は公務員は退職代行を使える?国家公務員・地方公務員の退職ルールの違いと注意点で確認してください。勤務先の区分は求人票や任用形態で個別確認が必要です。

「あなたが辞めたら患者が困る」引き止めにどう向き合うか

「あなたが辞めたら患者が困る」「夜勤が回らない」「後任が決まるまで待ってほしい」といった引き止めが実際に起きているとされます。自分を責めたくなるかもしれませんが、人手不足は退職の自由(民法627条)を制限する法的な理由にはならないとされています。医療現場は公共性の高い職場でもあるため、引き継ぎ資料を残す、有休消化のスケジュールを早めに共有するといった配慮は円満に進めるうえでも役立ちます。強い引き止めへの具体的な断り方は引き止められた時の断り方——退職の意思を伝えて強く引き止められたらどうするで整理しています。

奨学金(修学資金)がある場合の注意点——「お礼奉公」は単純に違法とは言えない

看護学校・病院の修学資金(奨学金)制度の多くは、卒業後に指定病院で一定期間(3年程度が多い)勤務すれば返還が免除される仕組みです。年数・免除条件は病院・自治体ごとに異なります(出典: 奨学金バンク)。途中退職時の扱いは病院により様々で、勤務期間に応じて段階的に返還額が減る、全額返還を求められる、残額を一括請求される、というケースがあるとされています(同上)。

いわゆる「お礼奉公」(資格取得後の一定期間の勤務拘束)は、職業選択の自由(憲法22条)や労働基準法5条・16条との関係で問題が指摘されることもありますが、単純に違法とは断定できず契約内容次第という整理です(同上)。奨学金の返還義務は労働契約とは別の金銭消費貸借契約であり、返還交渉まで退職代行に対応してもらえるかは業者次第です。交渉が必要な場合は弁護士型が対応できる可能性が高く、契約書の確認から進めるのが望ましいといえます。

退職代行を使う場合に知っておきたい実務——貸与物の返却・非弁行為・男性看護師の場合

退職代行を使っても、離職票・源泉徴収票など必要書類は通常どおり発行されます。看護師免許は国家資格のため退職・転職で失効しませんが、白衣・名札・院内PHS・電子カルテのIDなど貸与物は多く、返却方法の調整は退職代行を通しても発生します。民間型の退職代行は「使者」までで、有休消化や奨学金の返還条件などの「交渉」に踏み込むと弁護士法72条が禁じる非弁行為に該当するおそれがある点は一般の労働者と同じです。

看護師に占める男性の割合は8.1%(2020年末時点、厚労省「令和2年衛生行政報告例」に基づくマイナビ看護師の整理)とされ、男性看護師も同じ枠組みで退職代行を利用できます。男性の場合は、専門だから確実に退職できる「男の退職代行」のように相談に特化したサービスを選ぶ方法もあります。

辞めたあと、転職先はすぐ見つかるのか

厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」の整理によれば、2021〜2023年、看護職(保健師・助産師・看護師)の有効求人倍率は年間を通じて2倍を超え、採用が活発な12〜3月は2.1〜2.5倍程度になるとされています。全職種平均は1倍程度で、看護職はこれを上回ります(出典: マイナビメディカル「メディカルサポネット」)。個別の再就職を保証するものではありませんが、次の職場を探す安心材料になり得ます。「退職代行を使うと次の転職で不利になるのでは」という不安は退職代行を使うと次の転職で不利になる?面接で聞かれたときの答え方で、退職・仕事のやめ方全体の選択肢は退職・仕事のやめ方の特集ページで整理しています。

よくある質問

看護師は退職代行を使えますか?

使えます。民間病院・医療法人に勤務する看護師は一般の労働者と同じく労働基準法・民法627条が適用され、退職代行で退職の意思を伝えられます。公立病院で地方公務員の場合は枠組みが異なるため、公務員向けの記事で確認してください。

「奨学金を返すまで辞めさせない」と言われたら退職代行は使えますか?

退職の意思を伝えること自体は可能とされています。ただし奨学金の返還条件は労働契約とは別の契約に基づくため、返還交渉が必要な場合は弁護士型が対応できる可能性が高いとされています。条件は病院ごとに異なるため、契約書の確認から進めるのが望ましいです。

男性看護師でも退職代行は使えますか?

使えます。看護師に占める男性の割合は8.1%とされていますが、割合にかかわらず一般の労働者として退職代行を利用できます。

次の一手

「人手不足なのに辞めるなんて」と感じるかもしれませんが、それはあなたの責任ではありません。今日やることは、奨学金や貸与物の有無を整理し、勤務先が民間病院か公立病院かを確認することだけです。

一人で伝えるのが難しいと感じたら、女性の退職代行【わたしNEXT】に今の状況を相談してみることもひとつの方法です。奨学金の返還条件まで交渉が必要な場合は、対応できるタイプを事前に確認しておくと安心です。

参考資料

  • 労働政策研究・研修機構(JILPT)「離職率11.3%」2025年4月16日 https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20250416b.html
  • 東京都看護協会「2024年病院看護実態調査」 https://www.tna.or.jp/news/20250402/
  • JILPT「離職率11.0%」2026年4月8日 https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20260408b.html
  • マイナビメディカル「メディカルサポネット」 https://medical-saponet.mynavi.jp/news/industry/detail_saiyouknowhow-kangoshi2025/
  • マイナビ看護師「男性看護師の割合」 https://kango.mynavi.jp/contents/nurseplus/career_skillup/20210701-21902/
  • 弁護士法人みやび「看護師は退職代行で辞められる?」 https://miyabi-law.jp/retirement/blog/kangoshi-daiko/
  • レバウェル看護 https://kango-oshigoto.jp/media/article/40986/
  • 奨学金バンク「看護師の奨学金返済」 https://shogakukinbank.jp/repayment_tips/3446/