年の途中で会社を辞めて独立すると年末調整は受けられない——翌年の還付申告でいくら戻るかを令和8年分で試算

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年の途中で辞めて独立するとき、「年末調整はどうなるのだろう」と気になる方は多いと思います。会社がやってくれていた手続きが、退職を境に自分の仕事になる。その不安は自然です。年内に再就職しなければ年末調整は受けられず、納め過ぎた所得税は自分で申告しない限り戻りません。

令和8年分(2026年中に退職し、2027年に申告)について、還付額を試算しました。

この記事の結論

年の途中で退職して年内に再就職しない場合は年末調整を受けられず、納め過ぎた所得税は翌年の確定申告(還付申告)で取り戻せます。

  • 試算(独身・扶養なし・社保は額面の15%と仮定)では、還付は約1.9万〜約8.8万円
  • 申告は翌年1月1日から5年間できる。必要なのは前の会社の源泉徴収票
  • 今日やることは「退職日と、源泉徴収票が届く予定日」の確認だけ

給与だけの還付申告なら、国税庁の確定申告書等作成コーナー(無料)で足ります。退職後に開業して帳簿も付けるなら、1か月間クレジットカード登録なしで試せる無料の確定申告自動化ソフト マネーフォワード クラウド確定申告を、帳簿づけの選択肢に入れておけます。

年の途中で辞めると年末調整を受けられない理由

年の途中で辞めた人の多くは、年末調整の対象外です。国税庁(No.2665)は、年の中途で行う年末調整の対象を、非居住者になった人、死亡退職、著しい心身の障害での退職、12月に支給される給与を受け取った後の退職、給与総額136万円以下のパートタイマー等の5つとしています。原文は「年の中途で退職した人で(1)から(4)以外の人は年末調整の対象とならない」です。

同じ年に再就職した場合は、原則として新しい勤務先が前の給与も含めて年末調整するので、納め過ぎは解消します(No.1910)。この記事は、辞めたあとその年は給与をもらう勤め先がない人向けです。

退職後に戻るお金が生まれる仕組み

戻るお金が生まれるのは、毎月の源泉徴収が概算で、年間の控除を使い切れていないからです。

毎月の源泉は、社会保険料を引いた給与から、月ごとの給与所得控除と基礎控除48,334円だけを引いて計算されます(国税庁の電算機計算の特例)。年間の税額では、給与所得控除(令和8年分は収入220万円まで一律74万円)、基礎控除104万円、退職後に払った国民年金・国保の保険料(No.1130)も引けます。この差が戻ります。

令和8年分の試算:いくら戻るか

月給30万〜50万円、3月末〜11月末退職の12パターンで、還付は約1.9万〜約8.8万円でした。TRENQ編集部が次の仮定で計算した独自の試算です。

仮定は、独身・扶養なし、1月から退職月末まで月給(額面)固定、社会保険料は額面の15%、賞与なし、退職後は年内無収入、国民年金は退職翌月分から11月分まで月17,920円(令和8年度)、国保料と退職金は含めない、復興特別所得税2.1%込み、百円未満切り捨てです。

月給 退職月(月末) 年収入 源泉徴収合計 年税額 還付見込み
30万円 3月末 900,000円 18,900円 0円 18,900円
30万円 6月末 1,800,000円 37,800円 0円 37,800円
30万円 9月末 2,700,000円 56,700円 16,700円 40,000円
30万円 11月末 3,300,000円 69,300円 35,400円 33,900円
40万円 3月末 1,200,000円 32,400円 0円 32,400円
40万円 6月末 2,400,000円 64,800円 5,600円 59,200円
40万円 9月末 3,600,000円 97,200円 42,000円 55,200円
40万円 11月末 4,400,000円 118,800円 70,400円 48,400円
50万円 3月末 1,500,000円 53,220円 0円 53,220円
50万円 6月末 3,000,000円 106,440円 22,400円 84,040円
50万円 9月末 4,500,000円 159,660円 71,900円 87,760円
50万円 11月末 5,500,000円 195,140円 114,300円 80,840円

月給50万円・9月末退職なら、源泉徴収合計159,660円に対して年税額は71,900円で、差額の約8.8万円が還付の見込みです。早く辞めるほど控除を使い切れず、還付は源泉徴収の大半に及びます。月給30万円の3月末退職なら、納めた18,900円が全額戻る計算です。

数字は目安です。国保料を含めていないので、実際は還付が増える方向です(保険料は自治体ごとに異なります)。収入660万円未満の本来の年税額は別表第五の額で、式とは一致しません。基礎控除104万円は合計所得489万円以下の例で、超える人はNo.1199で確認してください。正確な額は、源泉徴収票の「源泉徴収税額」で確かめてください。

還付申告の時期と準備するもの

還付申告は、退職した年の翌年1月1日から5年間、所轄の税務署に出せます(No.1910・No.2030)。2月16日〜3月15日の申告期間を待たず、1月から出せます。ただし青色申告特別控除などの特例を受けるなら、原則翌年3月15日までの提出が必要です。

準備するものは、前の会社の源泉徴収票(退職の日以後1か月以内に交付する決まりです。No.7411)、国民年金の控除証明書、国保料の払込みが分かる書類です。1月〜9月納付分の証明書は電子データが10月中旬〜下旬、10月〜12月納付分は令和9年1月下旬からです(日本年金機構)。住民税の扱いは自治体に確認してください。

手続き全体は会社を辞めて独立する手続きの順番、手取りはフリーランスの手取りの変化、開業後は開業届と青色申告と確定申告の手順を参照してください。全体は独立・副業ガイド、抜け漏れは退職・独立チェックリストで確認できます。

この記事が不要な人と、ソフトが要る人

年内に再就職する人、12月支給の給与を受け取ってから退職する人は、この還付申告は不要です。給与だけの還付なら、会計ソフトも要りません。

ソフトが役に立つのは、退職後に開業して売上や経費を毎月記録する人です。その場合は、1か月間クレジットカード登録なしで試せる無料の確定申告自動化ソフト マネーフォワード クラウド確定申告のようなソフトが選択肢になります。

よくある質問

年の途中で退職して再就職した場合も、確定申告が必要ですか?

原則として不要です。同じ年に再就職すれば、新しい勤務先が前の会社の給与も含めて年末調整をするため、納め過ぎは解消します。年末調整を受けられなかった場合に限り、翌年の還付申告で精算します。

還付申告はいつまでにすればいいですか?

退職した年の翌年1月1日から5年間、提出できます。2月16日〜3月15日を待たず、1月から出せます。ただし青色申告特別控除などの特例を受ける場合は、原則翌年3月15日までの提出が必要です。

会計ソフトを使わないと還付申告はできませんか?

いいえ、給与の還付だけなら不要です。源泉徴収票と国民年金の控除証明書などがあれば、国税庁の確定申告書等作成コーナーで無料で作れます。事業の帳簿を付ける予定がある人だけ、ソフトを検討してください。

次の一手

知らないまま辞めたのは、怠けていたからではありません。会社が肩代わりしてくれていた手続きだったからです。

小さな一歩は、退職日と源泉徴収票が届く予定日を確認し、カレンダーに「還付申告を出す日」を入れること。申告は翌年1月1日から受け付けられます。いつやるかだけ、今日決めてください。

開業して帳簿も付けるなら、無料の確定申告自動化ソフト マネーフォワード クラウド確定申告の1か月間のお試しで、使い心地を確かめる方法もあります。

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参考資料

  • 国税庁 タックスアンサー No.1910/2030/2665/7411/2020/1410/1199/2260/1130
  • 国税庁 給与所得の源泉徴収税額表(令和8年分)電算機計算の特例
  • 日本年金機構 国民年金保険料/国民年金保険料控除証明書の送付(令和8年)
  • 2026年10月5日取得。試算はTRENQ編集部による独自計算(目安)