介護職への転職は未経験・無資格でも大丈夫?よくある不安と最初の一歩

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求人票の「未経験歓迎」を見ても、「本当に無資格で務まるのか」「体力が続くのか」と考えて応募に踏み出せない——介護職への転職を考え始めた方の多くが、同じところで立ち止まります。不安の中身を確かめないまま先送りすると、介護の有効求人倍率が3.97倍(令和7年3月時点、全職業計平均1.16倍)という「選べる側に立ちやすい時期」を、選択肢を知らないまま過ごすことになります。この記事では、無資格・未経験で働ける制度上の根拠と、体力・給与・資格取得という3つの不安の実態を、厚生労働省と介護労働安定センターの調査で確かめます。読み終わる頃には、最初の一歩が具体的に決まっているはずです。

この記事の結論

施設の介護職なら無資格・未経験でも身体介護を含めて働けます。求人は多く、働きながら資格を取る仕組みも用意されています。

  • 介護の有効求人倍率は3.97倍(令和7年3月時点)で全職業計平均の約3.4倍です
  • 訪問介護だけは原則、初任者研修修了以上の資格が必要です
  • 今日やることは、訪問型か施設型か、自分の希望を決めることだけです

働ける根拠が確かめられたら、次は実際の求人を眺めて条件の相場を知る番です。見るだけなら応募にはなりませんし、無資格・未経験可の求人がどれだけあるかを知るだけでも不安はひとつ減ります。無資格・未経験可の介護求人を探してみる

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「無資格・未経験で本当に大丈夫か」——不安に思うのは自然なこと

未経験で介護職に不安を覚えるのは、適性がないからではなく、判断材料がまだ手元にないからです。実は「これから介護職に就く人が入職前に何を不安に思うか」を直接調べた公的な統計は見当たりません。一方で、すでに働いている人への調査は毎年行われており、令和5年度の介護労働実態調査(労働者調査・回答20,699名)では、労働条件面の悩みの上位は「人手が足りない」49.9%、「仕事内容のわりに賃金が低い」37.5%、「身体的負担が大きい」29.3%でした(出典: 介護労働安定センター)。あなたが感じている体力や待遇への不安は、現場の実感とも重なる「確かめる価値のある論点」だということです。ここから順番に中身を見ていきます。

事実確認:無資格・未経験でも働ける制度上の根拠

結論から言うと、入居型施設や通所サービスなどの施設サービスであれば、無資格・未経験でも身体介護・生活援助の両方に従事できます(出典: 石川労働局)。資格が必須なのは、利用者の自宅を一人で訪問する訪問介護で、こちらは原則として介護職員初任者研修修了以上が求められます。また2024年4月からは、無資格で直接介護に携わる職員への「認知症介護基礎研修」の受講が完全義務化されましたが、新規採用者は入職後1年以内に受講すればよい仕組みで、入職の壁にはなりません(出典: 厚生労働省資料)。採用側の事情も追い風です。介護関係職種の有効求人倍率は3.97倍(令和7年3月時点、厚生労働省「一般職業紹介状況」)、令和6年度の介護労働実態調査では69.1%の事業所が介護職員の不足を感じています。同調査で介護職員の離職率は12.8%と2年連続で低下しており、「入れ替わりが激しい業界」というイメージも少しずつ実態が変わってきています(出典: 介護労働安定センター)。

不安の正体①体力——調査の数字と、事業所選びでできる自衛

体力への不安は、根拠のない心配ではありません。令和5年度の介護労働実態調査では、「身体的負担が大きい(腰痛や体力に不安がある)」と答えた介護職員は39.1%、入所型の施設系では45.6%にのぼります(出典: 介護労働安定センター)。ただしこの数字は、裏を返せば半数以上は身体的負担を悩みの筆頭に挙げていないということでもあり、負担の重さは施設の設備や人員体制によって大きく変わります。だからこそ、求人票や見学の段階で、介護機器の導入状況や夜勤の体制・回数を確認することが自衛策になります。夜勤は二交代制の場合、1回の労働時間が16時間程度になるという解説が複数の求人媒体にありますが、頻度や体制は施設ごとの差が大きいため、面接で具体的に聞いて構いません。なお、介護関係の前職を辞めた人の理由で最も多いのは「職場の人間関係」34.3%で、体力そのものではありません(令和5年度・介護職として働いていた人への調査であり、未経験者の入職前の不安の統計ではありません)。「続くかどうか」は体力より職場選びに左右される、という示唆として参考になります。

不安の正体②給与——未経験1年目の目安と上がっていく構造

未経験1年目の給与は、20万円台前半が目安です。厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査では、勤続1年〜1年11か月の介護職員の平均給与は230,310円でした。また求人検索サイト「求人ボックス」の掲載求人集計(公的統計ではありません)では、介護士の初任給の目安は21万円程度、東京都では24万円程度と地域差があります。一方、処遇改善加算を取得している事業所の介護職員全体(経験者を含む平均で、1年目の数字ではありません)では、令和6年9月時点の平均給与は338,200円と前年同月より13,960円増えています(出典: 厚生労働省調査)。経験と資格を積むことで給与が上がっていく構造があることは、ここから読み取れます。金額は地域・施設種別・資格の有無で差があるため、個別の求人票の額面で確かめてください。

不安の正体③資格取得の負担——働きながら取るのが現実的なルート

資格は、入職前にそろえておく必要はありません。働きながら取るのが現実的な進み方です。入口となる介護職員初任者研修は130時間・10科目で、費用はスクールにより4万〜10万円程度、週1回の受講なら約4ヶ月が目安とされています(出典: 大阪府・各スクール解説)。事業所によっては受講費用の全額または一部を負担する資格取得支援制度があり、埼玉県のように受講料を補助する自治体もあります。制度の有無と条件は事業所・自治体ごとに異なるため、求人票と面接で必ず確認してください。その先の実務者研修は無資格からで450時間(初任者研修修了者は320時間に短縮)、費用は10万〜18万円程度で、通信講座に対応したスクールなら働きながら受講できます(出典: 介護労働安定センター)。資格取得を先に固めてから転職したい方は、講座の内容と費用を比較するところから始めるのが近道です。実務者研修講座の内容と費用を確認する資格の全体像と取る順番は介護職の資格の違いの記事で、実務者研修を軸にした転職の進め方は介護職への転職と実務者研修の記事で詳しく整理しています。

最初の一歩:求人を探す前に確認する3つのこと

求人を探し始める前に、次の3つを決めておくと迷いません。第一に、訪問型か施設型か。無資格で始めるなら、資格不問で身体介護まで経験できる施設サービスが入口になります。第二に、夜勤の可否。生活リズムの制約を先に決めておくと、求人を現実的に絞り込めます。第三に、資格取得支援制度の有無。同じ「未経験歓迎」でも、育成の仕組みがある事業所かどうかで1年後の景色が変わります。面接については、求人媒体の解説によると、志望動機や高齢者と接した経験、学ぶ姿勢を確認されることが多いとされています(公的統計ではなく民間媒体の解説です)。立派な経歴よりも、なぜ介護なのかを自分の言葉で言えることが準備の中心です。なお、どの求人サービスも掲載求人がその地域のすべてではないため、複数の窓口を併用して構いません。また、すでに初任者研修を修了していて次の資格を設計したい方には、この記事よりも先ほどの資格の違いの記事のほうが役に立ちます。求人を見る段階では、応募するかどうかまで決める必要はありません。

よくある質問

介護職は無資格・未経験でも本当に働けますか?

働けます。入居型施設や通所サービスなどの施設サービスでは、無資格・未経験でも身体介護・生活援助の両方に従事できます。ただし利用者宅を一人で訪問する訪問介護は、原則として介護職員初任者研修修了以上の資格が必要です(出典: 石川労働局)。

未経験で介護職に転職すると給料はいくらですか?

20万円台前半が目安です。厚生労働省の令和6年度調査では勤続1年〜1年11か月の介護職員の平均給与は230,310円、求人サイトの掲載求人集計では初任給の目安は21万円程度でした。地域・施設種別・資格の有無で差があります。

無資格で入職した場合、資格はいつまでに取る必要がありますか?

法令上の期限があるのは認知症介護基礎研修で、新規採用者は入職後1年以内の受講が必要です(2024年4月から完全義務化。出典: 厚生労働省資料)。初任者研修などの取得時期に一律の期限はなく、事業所の支援制度を使いながら働きつつ取得できます。

次の一手

不安が消えるまで待ってから動く必要はありません。ここまで見てきたとおり、無資格・未経験で働ける根拠は制度の側にあり、体力・給与・資格の不安はいずれも「求人票と面接で確認できる項目」に変換できます。今日決めるのは転職するかどうかではなく、「いつまでに求人を見て相場を知るか」だけで十分です。

まずは無資格・未経験可の求人にどんな条件のものがあるか、通える範囲で眺めてみてください。未経験可の介護求人を見てみるご家族の介護施設探しを考えている方は介護施設探しのハブページもご覧ください。

業界の仕組みを先に俯瞰しておきたい場合は、書籍『図解即戦力 介護ビジネス業界のしくみと仕事がこれ1冊でしっかりわかる教科書[改訂2版]』も参考になります。

参考資料

  • 厚生労働省「一般職業紹介状況」(令和7年3月)の解説 https://heartrock-noma.com/contents_2314.html
  • 介護労働安定センター 令和6年度介護労働実態調査プレスリリース https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf
  • 介護労働安定センター 令和5年度介護労働実態調査 https://www.kaigo-center.or.jp/report/jittai/ /概要PDF https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/2023_jittai_chousagaiyou.pdf
  • 石川労働局(無資格者の業務範囲) https://jsite.mhlw.go.jp/ishikawa-roudoukyoku/content/contents/001790771.pdf
  • 厚生労働省 認知症介護基礎研修関連資料 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000967545.pdf
  • 厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/24/index.html
  • 求人ボックス 給料ナビ(掲載求人の独自集計) https://xn--pckua2a7gp15o89zb.com/介護士の年収・時給
  • 大阪府(介護職員初任者研修) https://www.pref.osaka.lg.jp/o090040/houjin/youseikennsyuu/syoninn.html
  • 介護労働安定センター(実務者研修) https://www.kaigo-center.or.jp/jigyo/shikaku/kaihatsu/
  • 埼玉県 介護職員資格取得支援事業 https://www.pref.saitama.lg.jp/a0603/kakuhosokushinjigyou.html
  • 介護労働実態調査の解説(Doctor Mate) https://doctormate.co.jp/blog/newscolumn240925-5 / https://doctormate.co.jp/blog/newscolumn250903-1
  • 面接に関する民間求人媒体の解説 https://job.kiracare.jp/note/article/28011/ ほか

有効求人倍率・離職率・給与などの数値は年度・調査時点によって変わります。この記事は2026年7月時点の公表資料に基づきます。応募・受講を進める際は、厚生労働省・介護労働安定センター・各事業所やスクールの公式情報で最新の内容を確認してください。