退職後の住民税はいつ・いくら払う?退職月別の未徴収残額と払い方を計算例で整理

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退職したあとに住民税の請求がまとめて来ると聞いて、「いくら、いつ払うのか分からない」と不安になっていないでしょうか。収入が止まる時期に、昨年の稼ぎに対する税金だけが追いかけてくるのは、理不尽に感じて当然です。しかも退職月によっては、最後の給料から数か月分が一度に引かれ、手取りが想定より大きく減ることがあります。この記事では、退職月ごとの払い方と未徴収の残額を、仮定の計算例で整理します(2026年10月時点の公的資料ベース)。

この記事の結論

退職後の住民税は前年の所得にかかり、6〜12月退職は納付書で自分で払い、1〜4月退職は5月31日までの給与や退職金から一括で引かれます。

  • 5月退職は、通常どおり最後の給与から5月分が引かれて完結します
  • 退職年の所得にかかる住民税は、翌年6月から別に来ます
  • 今日やることは、前年の住民税決定通知書で年税額を確認することだけです

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退職後の住民税の仕組み——前年の所得に、6月から翌年5月で払う

住民税は、前年の所得に対してかかる税金です。会社員は6月〜翌年5月の12回に分けて給与から天引き(特別徴収)されています。退職時まで天引きされていたのは前年の所得に対する税額で、退職した年の給与にかかる住民税は翌年度に課税されます(港区FAQ)。

つまり退職後には、2種類の住民税が関わります。1つは前年の所得にかかる分の未徴収の残り、もう1つは退職した年の所得にかかる、翌年6月からの分です。

税率は、所得割が10%(市町村6%+道府県4%、標準税率)、均等割が標準で年4,000円です。これに森林環境税1,000円が加わり、定額部分は年5,000円前後になります(総務省資料、自治体により異なります)。

退職月別の払い方——6〜12月は納付書、1〜4月は最終給与から一括

払い方は、退職する月が6〜12月か、翌年の1〜4月か、5月かの3パターンで決まります(東京都主税局の手引き)。

退職月 払い方 本人の申出
6月〜12月 申出があれば退職時の給与・退職金から一括徴収。そうでなければ自治体から届く納税通知書・納付書で自分で納付(普通徴収) 一括徴収は申出が必要
翌年1月〜4月 特別徴収できなくなる税額を、5月31日までに支払う給与・退職金から一括徴収 不要(法律上の定め)
5月 最終月分として特別徴収で納入し、通常どおり完結 不要

1〜4月退職の一括徴収は、死亡退職や、一括徴収額が退職手当等を超える場合は対象外です。

切り替えは、会社が退職の翌月10日までに「給与所得者異動届出書」を自治体へ出して行い、本人の申請は要りません。ただし提出が遅れると、本人が一度に多額の納付を求められる結果になると手引きに明記されています。

普通徴収の納期は、6月・8月・10月・翌年1月の各月末の4期で、全期分を第1期の納期限までに一括で払うこともできます。口座振替やコンビニなどで納付できます(東京都北区ほか)。途中で切り替わったときの残額の割り振りは自治体ごとに異なるため、納税通知書の納期と金額を見てください。

未徴収の残額はいくら?——退職月別の計算例(仮定)

残額の目安は、月割額×残り回数で出せます。ここでは編集部の仮定として、年税額を240,000円、月割20,000円×12回(6月〜翌5月)に単純化しました。実際の税額ではなく、端数調整などの自治体差は省いています。各月末に退職し、その月分まで天引き済みとした場合は次のとおりです。

退職月(月末) 天引き済み 残り 未徴収残額 払い方
6月 1回 11回 220,000円 普通徴収(申出で一括可)
7月 2回 10回 200,000円 同上
9月 4回 8回 160,000円 同上
12月 7回 5回 100,000円 同上
1月 8回 4回 80,000円 5月31日までの給与・退職金から一括
3月 10回 2回 40,000円 同上
4月 11回 1回 20,000円 同上
5月 12回 0回 0円 通常の最後の給与で完結

この仮定なら、1月退職では最終給与から8万円が差し引かれ得ます。1〜4月退職の方は、最後の手取りが想定より減る前提で家計を組んでください。6〜12月退職の方には、10万〜22万円の残額の納付書が届きます。ご自分の年税額は、5月・6月に会社から配られる前年の住民税決定通知書で確認できます。

退職後の収入の見通しは、失業保険はいつから・いくらもらえるかで整理しています。退職後12か月のお金の流れは、退職後の手取りカレンダーで確認できます。

退職した年の所得にかかる、翌年の住民税の目安(仮定)

退職した年に稼いだ分の住民税は、翌年6月から別に請求されます。無職の期間に請求が来る構造なので、あらかじめ準備しておく必要があります。

編集部の仮定は、9月末退職、月給30万円×9か月=給与収入270万円、その年は無職で他の所得なし、社会保険料控除は仮に40万円、扶養・その他の控除はなし、です。

  • 給与所得控除は、収入220万円超360万円以下で「収入×30%+8万円」なので、270万円×0.3+8万円=89万円(国税庁タックスアンサーNo.1410)
  • 給与所得は、270万円−89万円=181万円
  • 所得控除は、住民税の基礎控除43万円+社会保険料40万円(仮定)=83万円
  • 課税標準額は、181万円−83万円=98万円
  • 所得割は、98万円×10%=98,000円(調整控除前)、これに均等割等で約5,000円

合計は約10万円台前半で、調整控除で数千円下がります。扶養やふるさと納税などで実際の額は変わるため、あくまで目安です。

退職金の住民税は別物——混同しないための整理

退職金にかかる住民税は、毎月の住民税とは別に計算します。退職金の支払時に会社が税額を計算して差し引き、そこで完結します(分離課税)。税率は区市町村民税6%+都民税4%です(東京都主税局の手引き)。

1〜4月退職で退職金から引かれる未徴収の通常の住民税と、退職金そのものにかかる住民税は別のものです。混同しないでください。手続き全体は退職代行のあとの手続き一覧にまとめています。

払えそうにないとき——減免と窓口

納付が難しいときは、納期限が来る前に自治体の窓口へ相談してください。多くの自治体に、退職や失業で所得が著しく減り、納税が困難な場合の減免制度があります。ただし申請は納期限までに必要で、納期限を過ぎた税額は対象外です。失業手当受給資格者証、離職票、退職証明書などの提出を求められる例があります。

基準額は自治体で異なります。京都市の例では、前年合計所得500万円以下が対象で、見込み総所得金額等が110万円+扶養数×30万円以下なら免除、160万円+扶養数×30万円以下なら5割減免とされています。納期限を過ぎると督促や延滞金の対象になり得るため、早めに窓口へ行ってください。

支払いの原資になる制度は退職後に傷病手当金を受け続ける条件、有休の消化は残った有休の消化手順で確認できます。

この記事が不要な方、必要になる方

すでに退職日が決まり、会社と日程を調整できている方に、退職代行は不要です。計算例を見て、納付書に備えれば足ります。

一方、退職日をずらしたいのに言い出せず、時期が決まらない方もいます。その補足として、女性向けの退職代行もあります。料金や条件は公式サイトで確認してください。女性の退職代行【わたしNEXT】

よくある質問

退職後の住民税はいくら払えばいいですか?

前年の所得で決まった年税額のうち、退職月までに天引きされなかった分です。年税額は前年の住民税決定通知書で分かります。仮に年税額が24万円で6月末に辞めた場合の残りは22万円、1月末なら8万円です。実際の額は自治体や端数処理で変わります。

1月に退職すると、最後の給与から住民税が引かれますか?

引かれます。翌年1〜4月退職は、本人の申出がなくても、5月31日までに支払う給与や退職金から未徴収分が一括徴収されます。仮定の年税額24万円なら、1月末退職で最大8万円です。一括徴収すべき額が退職手当等を超える場合は例外になります。

住民税を払えないときはどうすればいいですか?

納期限の前に、自治体の納税相談窓口へ行ってください。退職・失業で所得が著しく減ったときの減免制度が多くの自治体にあり、申請は納期限までです。納期限を過ぎた税額は対象外のため、督促が来てからでは遅くなります。基準は自治体ごとに異なります。

次の一手

退職後に住民税が重くのしかかると気づいて焦るのは、あなたが無計画だったからではありません。退職後まで見えにくい制度だからです。

今日やることは1つだけです。前年の住民税決定通知書(5月・6月に会社から配布)で年税額を確認してください。次に、表を見ながら退職月に応じた残額を月割額×残り回数で計算します。「いつ計算するか」だけ、今日決めてください。

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退職後の手続き全体の入り口は、退職・独立のお金と手続きのハブにまとめています。

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参考資料

  • 東京都主税局「個人住民税(区市町村民税・都民税)特別徴収の事務手引き」(退職者の徴収方法、異動届、退職所得の特別徴収)
  • 港区「退職後の住民税」FAQ
  • 総務省資料(住民税の税率・均等割)/中野区 令和8年度 住民税計算例(森林環境税の内訳)
  • 千代田区「特別区民税・都民税の改正」(基礎控除)
  • 国税庁 タックスアンサー No.1410(給与所得控除)
  • 東京都北区/大津市(普通徴収の納期・納付方法)
  • 京都市/横浜市(個人住民税の減免制度)