退職後の健康保険は任意継続と国保どちらが安い?月給別の年間保険料を令和8年度の料率で比較

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退職日が近づくと、健康保険の切り替えという現実が急に目の前に出てきます。「任意継続と国保、どっちが安いのか」を調べても、自治体や年収で変わると書かれていて、よく分からないまま時間だけが過ぎがちです。収入が止まる時期に高い保険料が落ちていくのは、誰でも不安です。しかも任意継続は、申請が退職日の翌日から20日を過ぎると原則入れません。この記事では、令和8年度の料率で月給別の年間保険料を概算し、どちらが安くなりやすいかの目安を示します。

この記事の結論

東京・独身・賞与なしの概算では、月給35万円以下は国保のほうが安く、任意継続が逆転するのは月給40万円で45歳以上の場合です。自治体・家族構成で変わります。

  • 任意継続は標準報酬月額の上限が32万円のため、高月給ほど有利に傾きます
  • 扶養家族が多い人は、人数で保険料が増えない任意継続が有利になりやすいです
  • 今日やることは、退職日を決めて20日と14日の期限日を確認することだけです

比較以前に、退職日そのものが言い出せず決まらないという方は、退職の通知を任せる方法もあります。保険の切り替えは退職日が決まらないと始まりません。専門だから確実に退職できる「男の退職代行」

先に結論の出し方——「どちらが必ず安い」とは言えない理由

どちらが安いかは、月給・自治体・家族の人数で決まります。任意継続は標準報酬月額に都道府県の保険料率を掛けて決まり、国保は前年の所得と自治体ごとの料率で決まり、人数分の均等割もかかります。物差しが違うため、ここでは東京都・独身・賞与なしの概算を目安にします。

任意継続の仕組み——20日以内に申請、最長2年、保険料は全額自己負担

任意継続は、退職後も最長2年、それまでの協会けんぽの健康保険に残れる制度です。加入には、退職日までの被保険者期間が継続して2か月以上必要です(協会けんぽ)。

申請期限は、退職日の翌日から20日以内で、20日目が土日祝なら翌営業日です。過ぎると原則加入できないため、国保との比較より先にこの日付を押さえてください。

保険料は、退職時の標準報酬月額に都道府県の保険料率を掛けて決まり、在職中は折半だった分も全額自己負担です。標準報酬月額には上限32万円があり、月給が高くても頭打ちになります(現在の上限)。

令和8年度の健康保険料率は、東京9.85%、大阪10.13%、北海道10.28%などです。これに全国一律0.23%の子ども・子育て支援金が加わり、40〜64歳は介護保険料率1.62%も上乗せされます(協会けんぽ)。

「2年縛り」と誤解されがちですが、最長2年であって入り続ける義務ではありません。就職して他の健康保険に入ったときや、本人の申出で脱退できます。一方、保険料を納期限までに納めないと資格を失い、その間の受診は全額返還になります(協会けんぽ)。

国民健康保険の仕組み——14日以内に届出、前年の所得で決まる

国保の保険料は、前年中の所得をもとに自治体が計算します。加入手続きは退職日の翌日から原則14日以内で、遅れても加入日までさかのぼって納めます。届出には会社から受け取る健康保険資格喪失証明書が必要です(新宿区)。

例として、令和8年度の新宿区は4区分を合算します。所得割率は医療分7.51%、支援金分2.80%、介護分(40〜64歳)2.43%、子ども・子育て支援金分0.27%で、均等割は1人あたり47,600円、17,600円、17,800円、1,873円です。算定の基礎は前年の総所得金額等から基礎控除43万円を引いた額で、限度額は4区分で67万円、26万円、17万円、3万円(合計113万円)です(新宿区の資料)。他の自治体は各自治体で確認が必要です。

前年の所得が基準なので、今の収入が減っていても退職直後は高く感じやすい点に注意してください。

月給別の年間保険料の比較——東京・独身・賞与なしの概算

次の表は、編集部が公開料率で計算した概算です。前提は、東京の協会けんぽ(9.85%+0.23%、40〜64歳は介護1.62%加算)、国保は新宿区の令和8年度料率、独身1人、月給=標準報酬月額(上限32万円)、年収=月給×12、前年の所得も同額、各種の軽減なしです。給与所得控除は国税庁タックスアンサーNo.1410の速算式で、端数は丸めています。

月給 年齢 任意継続 月額 任意継続 年額 国保 年額(月換算)
20万円 35歳 20,160円 約24.2万円 約19.1万円(約15,900円)
20万円 45歳 23,400円 約28.1万円 約23.7万円(約19,800円)
25万円 35歳 25,200円 約30.2万円 約23.5万円(約19,600円)
25万円 45歳 29,250円 約35.1万円 約29.2万円(約24,300円)
30万円 35歳 30,240円 約36.3万円 約28.0万円(約23,300円)
30万円 45歳 35,100円 約42.1万円 約34.6万円(約28,900円)
35万円 35歳 32,256円(上限32万円で計算) 約38.7万円 約33.1万円(約27,500円)
35万円 45歳 37,440円(同上) 約44.9万円 約40.9万円(約34,100円)
40万円 35歳 32,256円(同上) 約38.7万円 約38.1万円(約31,800円)
40万円 45歳 37,440円(同上) 約44.9万円 約47.1万円(約39,300円)

この前提では、月給35万円以下はすべて国保のほうが安く、たとえば月給30万円・35歳なら年間で約8万円の差です。任意継続が逆転するのは月給40万円・45歳の1行だけで、差は約2万円。月給40万円・35歳は国保が約0.6万円安く、ほぼ同額です。「任意継続のほうが安い」という通説は、上限が効く高い月給の人や、扶養家族がいる世帯の話だと分かります。

家族がいる場合は逆転しやすい——扶養の有無が最大の差

任意継続の被扶養者は、原則として年収130万円未満かつ本人の年収の2分の1未満などの要件を満たせば連れて入れます(協会けんぽ)。保険料は標準報酬月額と料率で決まり、被扶養者の人数では増えません。

国保には被扶養者という考え方がなく、加入者1人ごとに均等割がかかります。新宿区の例では、1人増えるごとに47,600円+17,600円+1,873円で年間67,073円が加わります(40〜64歳はさらに介護分17,800円)。仮に配偶者と子ども2人を加えるなら、均等割だけで約20万円(67,073円×3)増える計算です。所得割や軽減は含みません。

会社都合の退職なら国保が大きく下がることがある

倒産や解雇などで離職した人は、国保の軽減を受けられる場合があります。離職時に65歳未満で、ハローワークの離職理由コードが特定受給資格者または特定理由離職者に当たると、前年の給与所得を30%として算定します。申請が必要です(新宿区)。

正当な理由のない自己都合退職は対象外です。前年の給与所得が43万円以下の場合なども金額は変わりません(江戸川区)。会社都合なら表より国保が安くなり、任意継続との差が開きます。

どちらを選ぶか——向く人と、この記事が不要な人

任意継続が向くのは、月給が上限(32万円)を大きく超える人、扶養家族が多い人、国保料が高い地域に住む人です。国保が向くのは、独身で月給35万円以下の人や、会社都合で退職した人です。

すでに退職日が決まり、会社とも調整できている方に、退職代行は不要です。退職日を決めたあとの書類は退職届と退職願の違い、有休の扱いは残った有休の消化手順で確認できます。一方、退職日を言い出せず、保険の切り替えどころではない方もいます。その補足として、女性向けの退職代行もあります。料金や条件は公式サイトで確認してください。女性の退職代行【わたしNEXT】

期限日を先に確認する——退職日を入れるだけのチェックリスト

金額の比較で迷っている間にも、20日の期限は進みます。退職〜独立 手続きチェックリストに退職日を入れると、任意継続(申請期限20日以内)と国保の届出(14日以内)が期限日順に一覧で出ます。入力内容は送信・保存されません。保険料の計算はしないので、金額は自治体の窓口や概算早見表で確認してください。

手続きの順番は会社を辞めて独立する手続きの順番、収入は失業保険はいつから・いくらもらえるか、税金は退職後の住民税はいつ・いくら払うかで整理しています。

よくある質問

退職後の健康保険は任意継続と国保のどちらが安いですか?

自治体・年収・家族構成で変わりますが、東京・独身・賞与なしの概算では月給35万円以下は国保のほうが安く、月給40万円で45歳以上のとき任意継続が安くなります。扶養家族が多いほど任意継続が有利です。

任意継続の申請期限はいつまでですか?

退職日の翌日(資格喪失日)から20日以内です。20日目が土日祝の場合は翌営業日までになります。郵送は期限内に届く必要があり、過ぎると原則加入できません。国保の届出は14日以内ですが、遅れてもさかのぼって納めます。

任意継続は2年間やめられないのですか?

やめられます。2年は最長期間で、就職して他の健康保険に入ったときや、本人の申出で脱退できます。ただし保険料を納期限までに納めないと資格を失い、その後の受診は全額返還になるため、納付には注意してください。

次の一手

どちらを選ぶか決められずにいるのは、あなたが段取りの悪い人だからではありません。退職の時期に、保険料の仕組みが見えにくいだけです。

今日やることは1つです。退職日を決め、前述のチェックリストで20日と14日の期限日を確認してください。「いつ比べるか」だけ、今日決めてください。

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