退職代行が使えないのは公務員だけ?役員・個人事業主・家族経営で変わる対応範囲
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「退職代行は公務員だけ使えない」という情報はよく見かけますが、会社の役員(取締役など)、個人事業主やフリーランスの業務委託契約、家族経営で同居の親族だけが働く事業所は、いずれも労働基準法が想定する「労働者」としての雇用契約とは法的な位置づけが異なり、公務員でなくても対応の可否や範囲が変わることがあります。直近1年の転職者の16.6%(20代は18.6%)が退職代行を利用していますが(マイナビキャリアリサーチLab 2024)、契約形態によって申し込み前の確認点は変わります。
公務員以外にも、契約形態によって退職代行の対応範囲は変わります。
- 役員(取締役等)は雇用契約ではなく委任契約のため、一般的な民間型の退職代行では対応が難しいとされています
- 個人事業主・フリーランスの業務委託契約は、契約書の解除条項に従う必要があり、対応の可否はサービスによって異なります
- 同居の親族だけで働く家族経営の事業所は、労働基準法そのものが適用除外になる場合があります
自分の契約形態がどの区分に当たるか、申し込み前に確認しておきたい方は、専門だから確実に退職できる「男の退職代行」に無料で相談できます。
「対応できないのは公務員だけ」ではない——契約形態という別の軸
退職代行の対応可否を左右するのは職業だけでなく、「雇用契約かどうか」という契約形態の軸もあります。公務員が使いにくい理由は公務員は退職代行を使えるかを整理した記事で扱う国家公務員法・地方公務員法という別の法体系の話ですが、契約社員・パート・派遣は雇用契約の枠内でルールが変わる話であり、契約社員・パート・派遣の退職ルールの違いを整理した記事で扱っています。本記事が扱うのは、そもそも雇用契約なのか、委任契約や業務委託契約なのかという、より根本的な軸です。
役員(取締役)は委任契約——一般的な民間型では対応が難しいとされる理由
役員は会社との関係が委任契約であり、一般的な民間型の退職代行では対応が難しいとされています。会社法330条により役員・会計監査人と会社の関係は委任の規定に従い、労働基準法・労働契約法の解雇規制は原則及びません。民法651条1項により役員は同意なくいつでも辞任(委任契約の解除)でき、雇用契約の民法627条(2週間ルール)より自由度が高い規定です。
ただし辞任の意思表示だけで手続きは完了せず、後任選任や辞任登記(法務局への変更登記)が別途必要です。民法651条2項により相手方に不利な時期の解除は損害賠償責任が生じ得ることもあり、役員の退職(辞任代行)は民間型ではなく弁護士への相談が推奨されています。辞任登記や損害賠償の交渉が絡む場面で対応できるのは弁護士型・労働組合型に限られ、民間型が交渉に踏み込むと弁護士法72条の非弁行為に該当し得るためです。代行タイプごとの権限の違いは弁護士・労組・民間3タイプの違いを比較した記事で整理しています。役員向けの独立料金区分を明記した公式サイトは確認できず、まず自分の会社の状況を弁護士に相談することが実務的な進め方になります。
役員の辞任や、交渉・法的手続きが絡む退職を検討する場合の相談先の例として、弁護士法人ZEN(第一東京弁護士会)があります。役員・業務委託契約への対応可否や料金は、依頼前に必ず公式サイトで確認してください。弁護士法人ZENの退職代行ページを見る(※提携先)
個人事業主・フリーランス(業務委託契約)は「労働者」ではない——契約書がすべての起点
個人事業主やフリーランスの業務委託契約は労働基準法上の「労働者」に当たらず、解雇規制や最低賃金といった労基法の保護を受けられません。契約の解除は契約書の条項や請負・準委任に関する民法の規定に従う必要があり、退職代行の利用自体は「不可能ではない」とする解説が複数ありますが、まず契約書の予告期間や違約金といった解除条項を確認することが出発点になります。
2024年11月施行のフリーランス新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)により、発注事業者側が6ヶ月以上継続した業務委託契約を解除・不更新にする場合、原則30日前までの予告と理由開示が義務付けられました。ただしこれは発注事業者側が契約を切るときの規定であり、フリーランス側から契約を終了させる場合の予告期間を直接定めたものではなく、受託側からの解除は契約書の解除条項や民法の規定に従います。なお、男の退職代行の公式料金ページには、社員・契約社員・派遣社員などと並んで「業務委託」が独立した料金区分(21,800円・税込)として明記されています。
同居の親族だけで働く家族経営は、労基法そのものが適用除外になる場合がある
働いている人が同居の家族だけという事業所は、労働基準法第116条第2項により、労働時間・休日・割増賃金などの規定が原則適用されません。ただし同居の親族ではない従業員を1人でも雇っていれば、事業所全体に労基法が適用されます。
注意したいのは、「労基法が適用されないこと」と「辞められないこと」はイコールではない点です。雇用契約自体は民法上有効で、期間の定めのない雇用であれば退職の自由(民法上の解約権)は別に生きています。同居親族のみの事業所を対象にした料金区分や対応方針を明記した公式情報は確認できておらず、個別に問い合わせて確認する必要があります。
契約形態別・対応可否の整理
ここまでの内容を契約形態ごとに整理すると、以下のようになります。あくまで一般的な傾向の整理であり、実際の対応は契約書・就業規則・サービスごとの規約によって変わります。
| 契約形態 | 会社との関係 | 労基法の適用 | 一般的な民間型代行での対応 |
|---|---|---|---|
| 正社員 | 雇用契約 | 適用される | 対応している代行が多い |
| 役員(取締役等) | 委任契約(会社法330条) | 原則適用されない | 辞任登記等の手続きが別途必要で、一般的な民間型では対応が難しいとされる |
| 個人事業主・フリーランス(業務委託契約) | 業務委託契約 | 適用されない(労働者に当たらないため) | 対応する料金区分を設けているサービスもあるが、契約書の解除条項の確認が前提 |
| 同居の親族のみで働く家族経営 | 雇用契約(労基法116条2項の対象になり得る) | 同居親族のみの事業は適用除外(親族以外を1人でも雇えば全体に適用) | 料金区分等を明記した情報は確認できず、個別確認が必要 |
この整理からも分かる通り、「対応できない」と決めつける前に、まず自分の契約が雇用契約なのか、委任契約や業務委託契約なのかを確認することが最初の一歩になります。
サービスによって対応範囲は違う——申し込み前に確認したいこと
契約形態だけでなく、サービスごとに対応可否・対象外の条件が設定されている実例もあります。わたしNEXT公式サイトのFAQには「どなたでもご利用いただけます」とある一方、「ナイトワーク(キャバクラ・風俗等)の退職代行サービスは承っておりません」という対象外業種が記載されており、業種の話ではありますが「公務員以外にも対象外・非対応の条件が存在する」ことを示す一例です。
自分の契約形態や状況がサービスの対応範囲に含まれるかは、申し込み前に個別確認が必要です。契約前の確認不足がトラブルにつながった実例は悪質業者の見分け方を整理した記事でまとめています。相談先を探している女性の方には、女性の退職代行【わたしNEXT】という選択肢もあります。まずは今の状況を伝えて、対応できるかを確認するところから始められます。
よくある質問
役員(取締役)でも退職代行を使えますか?
役員は会社との関係が委任契約であるため、辞任登記などの会社法上の手続きが別途必要になり、一般的な民間型では対応が難しいとされています。弁護士への相談を推奨する解説が複数あり、「対応可能」と一律には言い切れません。
フリーランスの業務委託契約なら、いつでも自由に契約を打ち切れますか?
フリーランス新法(2024年11月施行)が定める30日前予告義務は、発注事業者側が契約を切るときの規定です。受託側から契約を終了させる場合のルールを直接定めた条文は確認できておらず、個別の契約書の解除条項や民法の規定に従うことになります。
家族経営で同居の親族しかいない会社で働いていますが、退職できますか?
労働基準法第116条第2項により、同居の親族だけを使用する事業は労基法が適用除外になりますが、「辞められない」ことは意味しません。雇用契約自体は民法上有効で、期間の定めのない雇用であれば退職の自由(民法上の解約権)は別に存在し、同居親族以外の従業員が1人でもいれば事業所全体に労基法が適用されます。
次の一手
今日決めるべきは「今すぐ申し込むかどうか」ではなく、自分の契約が雇用契約・委任契約・業務委託契約のどれかを確認することです。契約形態や職業を横断した基礎知識は退職代行の基礎知識をまとめたページでも整理しています。確認したうえで対応可能なサービスに相談したい場合は、専門だから確実に退職できる「男の退職代行」に無料で相談できます。申し込みから実際に退職が完了するまでの流れは申し込み〜即日退職までの流れを整理した記事で解説しています。
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参考資料
- マイナビキャリアリサーチLab(2024)20代転職者の退職代行利用率
- 日本労働弁護団「労基法116条2項の改正を求める幹事長声明」
- 佐々木亮弁護士(Yahoo!ニュースエキスパート)家事使用人の労基法解説
- ジンジャー「労働基準法の適用除外となる人や勤務状況」
- Wikibooks「会社法第330条」「民法第651条」
- クレアール司法書士講座(会社法330条・民法651条の解説)
- ベンナビ労働問題「役員の退職代行利用について」
- 弁護士法人川越みずほ法律会計「取締役の退職代行(辞任代行)について」
- ベンナビ労働問題「業務委託契約と退職代行」
- マネーフォワード クラウド確定申告「個人事業主と退職代行」解説記事
- 公正取引委員会「フリーランス法特設サイト」
- FREENANCE MAG「2024年11月からフリーランス新法が施行」
- 男の退職代行 公式サイト(料金ページ)
- わたしNEXT 公式サイト(FAQ)



