家財が残ったままの実家は売れる?残置物ごと売る方法と片付けてから売る方法の分岐
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実家に親の家具や生活用品がそのまま残っていて、「これでは売れないのでは」と足が止まっていないでしょうか。実家の片付けは、東洋経済のアンケート調査で半数近くが3ヶ月以上かかったと回答するほど手間のかかる作業です(出典: 東洋経済オンライン「実家の片付け」アンケート調査、ハウスウェル不動産売却コラム経由)。結論から言えば、家財が残ったままでも実家を売る方法はあります。片付けの有無で手取り額と売却までの期間が変わるため、この記事で両方の売り方を整理します。
家財が残ったままでも実家は売却できます。残置物ごと買い取ってもらうか、片付けてから仲介で売るかで手取りと手間が変わります。
- 残置物ごと買い取る訳あり物件専門業者などがあり、片付けをせずに現況のまま売却できるケースがあります
- 片付けてから仲介で売ると高く売れやすい一方、撤去費用(一戸建て全体でおおむね20万〜60万円)と数ヶ月の時間がかかります
- 今日やることは、権利証(登記識別情報)・通帳・印鑑など貴重品の所在を確認することだけです
他社で片付け前だからと断られた家でも、現況のまま買い取ってもらえる窓口があります。他社で断られた物件でも買取りが可能「ワケガイ」
査定は無料で、その場で売却を決める必要もありません。
結論: 家財が残っていても売れる。ただし売り方で手取りと手間が変わる
結論を言うと、実家に家財が残ったままでも売却方法は2つあります。残置物ごと買取業者に引き取ってもらう方法と、先に片付けてから仲介で売る方法です。前者は手間を省ける代わりに価格が下がりやすく、後者は高く売れやすい代わりに時間と費用がかかります。片付けが終わっていなくても、怠けていたからではありません。誰にとっても重い作業です。ここから順番に仕組みを見ていきます。
「残置物ごと買取」の仕組み——買取業者・訳あり物件専門業者が向くケース
結論を言うと、再建築不可・共有持分・事故物件・借地・老朽化した空き家など仲介で売りにくい物件を専門に扱う買取業者があり、家財が残ったままでも現況のまま買い取ってもらえるケースがあります(出典: ハウジングバザール不動産コラム)。リフォームや解体、不用品回収の事業をあわせ持ち、家財ごと引き受ける業者もあります(出典: 複数の専門業者コラム)。価格は通常の仲介相場よりおおむね1〜5割下がるとされ、老朽化のような軽度な瑕疵で1〜2割減、事故物件のような心理的瑕疵で2〜3割減、再建築不可のような法的瑕疵で3〜5割減という目安が紹介されています(出典: 同上。1媒体の一般的な目安で個別試算ではありません)。解体費用や片付け費用を自己負担して仲介で売るより、現況のまま買取に出した方が手元に残る金額が多くなるケースがあるとされます。仮に解体費用200万円、片付け費用50万円がかかるとすると、合計250万円を差し引いて仲介で売るのと現況のまま買取価格で売るのとでは、瑕疵の程度によって手取りの多寡が逆転することもある、というのが仮の計算例です。仲介と買取の違いはこちらの記事で詳しく比べています。
片付けてから仲介で売る場合の段取りと費用の考え方
結論を言うと、仲介で高く売りたい場合は査定前に家財・不要品を片付けておくことが推奨されています。家具や不要物が残っていると部屋の広さや状態が分かりにくく、査定や内見の印象が悪くなるためです(出典: ハウスウェル不動産売却コラム)。撤去費用の相場は一戸建て全体でおおむね20万円〜60万円とされ、物量や庭・物置の範囲、遺品整理・供養の有無で変動します(出典: ドクターエコ)。3LDK戸建ての実例10件では中央値31万3,500円、最安15万4,000円、最高45万1,000円という結果も出ています(出典: 同上)。不用品回収業者に一軒家の家財一式を依頼すると17万円〜50万円程度が目安です(出典: リショップナビ)。自治体の粗大ごみ回収は単品なら数百円〜数千円で済みますが、一軒家丸ごとの処分には現実的でないことが多いようです(出典: 同上)。片付け自体にも半数近くの世帯で3ヶ月以上かかっており、費用だけでなく時間の見積もりも必要です。流れは、相続登記(義務化済み)→片付け・残置物処分→査定→媒介契約→販売活動→売買契約→引き渡しの順です(出典: 複数の不動産仲介会社の案内)。
形見・貴重品・書類だけ先に確保する手順(権利証・通帳・印鑑)
結論を言うと、どちらの売り方を選ぶ場合も、作業を始める前に貴重品と重要書類だけは先に確保しておく必要があります。片付けや処分後では取り戻せないためです。「権利証」は平成17年(2005年)ごろから発行されなくなり、現在は「登記識別情報」という12桁の英数字に置き換わっています(出典: 相続大辞典〈税理士法人チェスター〉)。法定相続分どおりの相続登記なら相続人が単独で申請でき、権利証・登記識別情報の提出は原則不要で、戸籍謄本で被相続人の死亡が確認できれば足ります(出典: 同上)。必要になるのは出生から死亡までの戸籍謄本一式、住民票の除票、相続人全員の戸籍謄本・住民票、固定資産評価証明書で、遺産分割協議を行う場合は協議書と印鑑証明書が加わります(出典: 同上)。ただし登記記録上の住所と最終住所の一致が証明できない場合や、遺贈登記で共同申請になる場合は、例外的に権利証・登記識別情報が必要になります(出典: 同上)。通帳や印鑑が見つからなくても、故人・相続人の戸籍謄本など所定書類がそろえば口座解約は可能です(出典: 相続オンライン〈グリーン大阪〉)。相続登記の申請は2024年4月1日から義務化されています(出典: 小田急不動産ほか)。登記や相続人の確定が済んでいない場合は、片付けより先に済ませてください。
遺品整理業者と不用品回収業者の違いと選び方
結論を言うと、遺品整理業者と不用品回収業者は許可の種類も得意分野も異なるため、依頼前に違いを知る必要があります。家庭の不用品を有料で回収・運搬するには市町村長発行の「一般廃棄物収集運搬業許可」が必要です(出典: エコスタイル)。産業廃棄物収集運搬業許可だけでは家庭ごみは回収できず、買い取って転売する行為には別途「古物商許可」が必要です(出典: エコスタイル、遺品整理みらいプロセス)。無許可の回収は廃棄物処理法違反(不法投棄含む)として罰金・懲役の対象になり得るほか、依頼者側も関与を問われるおそれがあります(出典: エコスタイル、国民生活センター)。遺品整理業者は遺族への配慮や供養、手続きサポートが特徴で、不用品回収業者は効率的な搬出に強みがある一方、遺品を丁寧に扱わない場合があるとされます(出典: 遺品整理みらいプロセス)。国民生活センターへの相談件数は2018年度1,354件、2019年度1,457件、2020年度1,788件、2021年度2,231件と増加傾向です(2022年度は9月末時点857件、出典: 国民生活センター)。見積額の1〜2倍を後から請求される、「処分できない」と返金されない、「クーリング・オフはできない」と書面にサインさせられるといった事例が報告されています(出典: 同上)。アポなし訪問や「無料回収」を謳うトラック巡回、会社情報の記載がない業者には注意が必要です(出典: 同上)。費用相場は間取り別の遺品整理費用の記事、買取との併用はこちらの記事もご覧ください。
どちらの売り方でも、最初にやることは査定で「家の値段」を知ること
結論を言うと、残置物ごと売るか片付けてから売るかを決める前に、まず家の現在の価格を知っておく必要があります。片付け費用や解体費用を払って仲介で売るのと現況のまま買取に出すのとでは、価格の目安が分からないと比較できません。仮に仲介相場が1,000万円で片付け費用に50万円かかるなら、手取りは仮に950万円です。現況のまま買取に出す場合、軽い瑕疵で1〜2割減なら仮に800万〜900万円、法的瑕疵で3〜5割減なら仮に500万〜700万円になります(数字はいずれも仮の計算例です)。瑕疵の程度で有利な売り方は変わるため、田舎の実家で買い手がつかない場合はこちらの記事も参考になります。まず査定で今の値段を確認しておくと、その後の判断がしやすくなります。
よくある質問
家財が残ったままでも空き家は売れますか?
売れます。残置物ごと現況のまま買い取る訳あり物件専門業者があり、片付けをせずに売却できるケースがあります。ただし仲介相場より価格は下がる傾向があるため、事前に目安を確認しておくとよいでしょう。
残置物の処分費用は誰が負担しますか?
通常は売り主(相続人)の負担です。一戸建て全体の残置物撤去費用は20万円〜60万円程度が目安で、物量や庭・物置の有無で変動します。現況のまま買取業者に売れば、この費用の負担を避けられるケースがあります。
遺品整理と不用品回収はどう違いますか?
遺品整理業者は遺族への配慮や供養、手続きサポートが特徴で、不用品回収業者は効率的な搬出に強みがあります。回収には「一般廃棄物収集運搬業許可」が必要で、買い取って転売する場合は別途「古物商許可」が必要です。
次の一手
実家に家財が残っていることを、片付けが苦手だから、忙しかったからと自分を責める必要はありません。売る決断は、家を見捨てることではなく、次に使う人へ渡すことです。今日決めるのは、権利証(登記識別情報)・通帳・印鑑など貴重品の所在を確認するという小さな一歩だけで十分です。片付けてから売るか現況のまま買い取ってもらうかは、その後で決めても遅くありません。他社で断られた実家でも、査定は無料で、その場で売却を決める必要もありません。他社で断られた物件でも買取りが可能「ワケガイ」
で、まず家の現在の値段を確認するところから始めてみてください。
参考資料
- ハウジングバザール不動産コラム(訳あり物件買取の仕組みと価格の目安): https://www.housingbazar.jp/realestate/available-properties/
- ドクターエコ(一戸建て全体の残置物撤去費用相場): https://dr-eco.jp/zantibutsu/kodate-12-price/
- ドクターエコ(3LDK戸建て実例10件の統計): https://dr-eco.jp/zantibutsu/kodate-3ldk-price/
- リショップナビ(不用品回収業者の一軒家依頼費用): https://rehome-navi.com/articles/2735
- エコスタイル(一般廃棄物収集運搬業許可・古物商許可の解説): https://ecostyle.jp/column/column-747/
- 遺品整理みらいプロセス(遺品整理業者と不用品回収業者の違い): https://ihinseiri-process.com/ihinseiri-huyouhinkaishu-tigai/
- 国民生活センター(不用品回収サービスの相談件数・トラブル事例): https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20221102_1.html
- 相続大辞典〈税理士法人チェスター〉(権利証・登記識別情報・相続登記の必要書類): https://chester-tax.com/encyclopedia/14576.html
- 相続オンライン〈グリーン大阪〉(通帳・印鑑がない場合の口座解約): https://green-osaka.com/online/inheritance-knowledge/inheritance-when-cannot-find-signature-stamp
- ハウスウェル不動産売却コラム(片付けと査定の関係、実家の片付け期間): https://housewell-satei.com/column/page_8079.html
- 東洋経済オンライン「実家の片付け」アンケート特集: https://toyokeizai.net/articles/-/834281
- 三井のリハウス(実家売却の一般的な流れ): https://www.rehouse.co.jp/relifemode/column/life-column/mr-6808/
費用相場や相談件数は各出典が公表した時点の情報です。物件の状態や地域によって数字は変動するため、実際に進める際は複数の業者から見積もりを取って確認してください。


